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都議会質問記録

2016/05/18 2040年代の東京の都市像について質問しました

2016年5月18日、東京都都市計画審議会において、都が策定している「2040年代の東京の都市像とその実現に向けた道筋について」中間のまとめについて質問しました。

【中村委員】 それでは、東京の都市像とその実現に向けた道筋についてということで、中間のまとめについて、取りまとめについては本当に敬意を表するものでございます。

 私の方からは3点だけ質問させていただきます。東京都が今、国際競争力を高めるために、都心部を中心に、開発に力を入れられています。そのことによる都心部での人口の増加や地価の高騰も起きています。魅力ある都市のためには、拠点の開発に力を入れる必要性はあると思ってはいます。ただ、この集約により取り残される人がいないように配慮することも大切であって、所得の低い方など、社会的立場の弱い方が暮らしにくい社会になってはならないと思っています。防災の観点からも、住宅の耐震化について、所得が低い 方が対応ができずに被害に遭う状況にならないようにしなければならないとも思います。多様な所得階層の方にとって住みやすい東京になることが必要だと思いますが、こうした観点についてはどのように議論されたのか、お伺いしたいと思います。

【岸井委員長】 はい。今回の中間まとめに関しましては、先ほどもお話をしましたが、1ページ目のところに、我々が、どういう気持ちで議論をしてきたかということを書いてございます。夢と希望に満ちた明るい東京を実現したいと、それを次世代に継承したいのだと、こういう気持ちで議論をしてまいりました。そのためには、当然のことではありますが、我々も知恵を絞って行動を起こすということは大変大事だというふうなことを思っています。その目標として、都市の理念としては、世界から選択される都市であるとともに、様々な方たちが様々な生活ができる、選択できる都市を一つの目標として持ったらどうかという御提案をしてございます。多様なライフスタイル、様々な生活、それが、ま さに起きるのが都市であって、その様々な生活、ライフスタイルに応えられるような仕組みを我々も用意すべきだと、こう思っているところであります。社会的に立場の弱い方のお話がございましたが、高齢社会を迎えていますので、地域包括ケアも含めた様々な取組については、これまで以上にやるべきだということを、21ページの「ライフスタイルに応じて選択できる場の提供」という中で、記述をさせていただきましたし、こうした様々なライフスタイルで、充実した時間が送れる、それが東京の新しい魅力であると、我々もそう考えているところでございます。

【中村委員】 はい、ありがとうございます。私たちも、全ての人に居場所と出番がある社会をつくっていきたいということを目指しておりますので、ソフト、ハードを組み合わせて、誰にとっても住みやすいまちにしていただけるようにしていただければと思います。また、次に、多摩地域について伺いますが、私も居住者の一人として、その発展を願う立場からお伺いします。多摩地域には多くの電機メーカーの事業所が立地をしていたことから、東京都は「多摩シリコンバレー」と称していました。しかし昨今では、残念ながら、大手の事業所の撤退が相次いでいる現状で、いつしかその名称も使われなくなってしまいました。現状では、大学は都心回帰を、企業は海外や地方への移転が進ん でいる状況です。そうした背景においても、今回の中間のまとめでは、多摩広域拠点域、多摩イノベーション交流ゾーンと位置付けられていることは、大いに期待したいと思うのですが、これに関して、どのような観点から位置付けをされたのか、お伺いします。

【岸井委員長】 今のところは、14ページでございます、「多摩イノベーション交流ゾーン」と書いてあるところに関係する御質問だと思います。多摩地域の活性化、東京が夢のある都市として生き延びていくためも、多摩地域は大変大事な地域である。明るい将来像を描くということもぜひ必要であります。実際、そこには可能性があると我々は思っています。多くの大学があり、研究機関があり、企業も活躍をされています。そういった地域に、更にこれから、リニア中央新幹線がやってくると、駅は橋本でございますが、多摩の地域は大変、利便性のいい、新しい可能性が生まれてくる。圏央道も含めて、様々な意味で交通の利便性が急激に上がってくるというふうに感じています。広域的な、その ポテンシャルの増加、更には、様々な今の資源、こういったものを考え合わせると、東京圏を持続的に成長させる、そういった活力の1つをリードする、そういうエンジンとして期待をしているというところでございます。

【中村委員】 はい、ありがとうございました。最後に1点、都市の開発に関連してお伺いいたします。昨今、居住に関して、通勤に時間がかかっても一戸建てというよりも、便利な場所でマンションにという希望がふえているように思います。遠くても広いところから、狭くても近いところへの傾向があり、都心部・臨海部の人口の伸びにつながっていることもあると思っています。ただ、昨今では、広島県や、都内でも大島町での土砂災害がありましたし、また、最近では、私の地元でも斜面地の宅地造成に関連して近隣する道路の陥没が起こるなどの事例も聞いています。そういった中、中間のまとめの中では、土砂災害警戒区域などから安全な区域への居住機能の誘導との記載があり、これは注目 しております。ただ、実際、現状では、これまでの小規模な土地での開発の対象にならなかったような都市部の斜面地を開発しているということもあるようです。また、空き家の問題が深刻化をしていますが、老朽化した空き家はそのままにしておいて、一方では自然を破壊してまで新たな宅地開発も行われているという状況もあります。こうした開発や宅地造成などの規制の強化を図っていく必要性もあるのではないかとは考
えますが、どのようなお考えでこの中間のまとめを取りまとめられたのか、お伺いしたいと思います。

【岸井委員長】 はい。防災はやはり大変大きな課題だと思っています。19ページに書いてございますが、地震、豪雨、土砂崩れ、様々な災害が考えられるわけでありますが、そういった、考えられそうな災害のパターンを想定して防災・減災対策を進めていく。さらには、計画的・長期的な視点でそれを行っていくということが必要で、
例えば、その集約型の都市構造を実際に実現して、駅の周辺などに機能を再編する。そして、良質な居住機能をさらに集約するといったこともあるのだろうと思っています。ただし、これを具体的にどういう施策として展開するのかということにつきましては、我々は方向性を示したわけでございますので、これを受け入れていただけるのであれば、これから、都や様々 な行政機関で御検討いただくということかと思っています。 

 

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