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オリンピックの申請ファイル、復興専門委員会の中間報告について質問

東京都議会オリンピック・パラリンピック招致特別委員会 質問(2012年3月8日)

 3月8日、都議会オリンピック・パラリンピック招致特別委員会で、2020東京オリンピック・パラリンピック招致委員会から2月13日にIOC国際オリンピック委員会に提出された申請ファイル、復興専門委員会の中間報告「オリンピック・パラリンピック開催に伴う被災地の復興について」について受けた報告に対して質疑を行いました。質問と答弁は以下の通りです。

〇中村委員 それでは、IOCに提出した申請ファイルと復興専門委員会の中間報告に関連して質問します。
 オリンピズムの目的は、人間の尊厳保持と平和な社会の推進にあります。広島、長崎を経験した日本人だからこそ、平和を希求する思いは極めて強いものがあります。
 現在、日本は、東日本大震災からの復興に国民が一丸となって取り組んでいます。日本の平和の象徴である広島、長崎と、大震災からの復興を果たした神戸、復興に今まさに取り組んでいる東北を聖火リレーでつなぐことにより、困難に直面してもそこから立ち上がる姿をメッセージとして訴えることは、東京でのオリンピック・パラリンピック開催を意義深いものとします。
 とりわけ今回の震災では、東京からも多くの都民が東北に支援に行きましたが、阪神大震災を体験した神戸からも恩返しといわんばかりに駆けつけ、体験を生かして支援活動をしていただいたと聞いています。
 まさにオールジャパンで東北の復興を支えるという点では、神戸と東北がつながり、そこに東京もつながることが国を挙げての盛り上がりになります。申請ファイルは、もう提出をされましたが、できれば神戸を含めた関西地域も巻き込めるような大きな潮流をつくっていただきたいと思います。
 さて、今回、申請ファイルが発表された際、報道では、なぜ東京かという疑問が改めて投げかけられました。国内、海外ともに支持を得るには、その理念が受け入れられることが最も大切なのはいうまでもありません。
 招致に際しては、復興や経済効果等がありますが、やはりオリンピックはスポーツの祭典であり、そのスポーツが持つ魅力や意義をどれだけ東京が発信していけるのかが原点になります。
 そこで、まず最初に、スポーツの持つ意義、魅力をどう世界に発信するのか、そして、それはなぜ東京なのかということを改めてご説明願います。

〇松永スポーツ振興局招致推進部長 先日の東京マラソンで東京じゅうが一体となり、また、なでしこジャパンの活躍で日本じゅうが熱狂したように、スポーツには国民を一つにする大きな力がございます。
 今から八年後に、復興を果たした日本で大会を開催することは、スポーツの持つ力がいかに困難に直面した人々を励まし勇気づけるかということを世界じゅうの人々に示すことになります。
 東京は、大都市の中心で最高の大会を開催することが可能な都市でございまして、大会開催を通じまして、スポーツの力を広く世界に発信していきたいと考えております。

〇中村委員 さて、今回の東日本大震災では、地震、津波、原子力発電所の事故などの映像が海外に大きな衝撃を与えました。日本の安全性に不安を覚えている外国の方も多いと思います。
 招致活動において復興を強調することは、同時に災害も注目させることになるわけですから、訴え方にも注意が必要です。そのため、大会運営の安全対策に万全を期すとともに、その安全性を訴えることは、招致活動にとっても極めて重要です。
 海外から重要なお客様をお招きするわけですから、そのための準備が必要です。特に大会で最も重要な施設の一つである選手村を安全にするために、防災危機管理センターや自家発電設備などを設置することで、災害時にも自立して存在できる高度防災村とすることも検討されてよいかとも思いますが、ご所見を伺います。

〇佐野スポーツ振興局施設計画担当部長スポーツ施設担当部長兼務 選手村や競技会場などの大会施設に関する具体的な計画は、立候補ファイルに向けて今後検討していくことになりますけれども、地震や津波などの自然災害に対しまして、ソフト、ハード両面において十分な安全対策を講じることを検討してまいります。

〇中村委員 オリンピックはスポーツがメーンですから、前回の環境も、そして今回の復興も、それだけを訴えるものではありませんが、それでも選手村や競技施設を含めて最新の震災対策の技術を生かし、安全に配慮することが大切です。
 人類が自然との共生を図るには、自然災害とどう向き合っていくかは万国共通の課題であり、震災を多く体験してきた日本こそがそのための最先端の技術を有しているのですから、その技術を生かして安全な会場づくりに努めることを招致活動においても積極的にPRすることが必要だと思います。
 最先端の震災対策の技術を紹介していくことについて、ご所見を伺います。

〇佐野スポーツ振興局施設計画担当部長スポーツ施設担当部長兼務 委員ご指摘のとおり、日本の技術は多くの分野におきまして世界で認められていると考えております。地震や津波などの自然災害に対する日本の高い技術に裏づけられた安全対策につきましては、立候補ファイルにおける記載やプレゼンテーションなどの機会を通じて、IOCなどに対し十分に説明してまいりたいと考えております。

〇中村委員 今回の計画では、多摩地域にも会場が設けられることにはなりましたが、申請ファイルに記載された競技会場は、残念ながら、味の素スタジアムの一カ所のみでした。多摩地域も当然のことながら東京都ですから、東京都としての一体性が感じられなければ、支持率に影響を与えかねません。
 前回の東京オリンピックでは、まさに味の素スタジアムの目の前の甲州街道にマラソンの折り返し地点があり、競歩はさらに先の府中が折り返し地点でした。それが甲州街道に看板で大きく今でも表示してあるため、当時生まれていなかった私も含めて、多摩地域に住む多くの人にとっては、よく知られた歴史的な出来事になっています。
 先般行われた東京マラソンでは、本体のマラソンとは別に大東京マラソン祭りが行われました。オリンピック開催時においても、こうした関連イベントを多摩地域で実施するなども、機運の盛り上げとしてはあってもよいかと思います。
 もちろん多摩地域だけを特に盛り上げるという意味ではありませんが、東京都全体で一体性を持った機運の醸成を図るためには、多摩地域の対策も必要だと思いますが、ご所見を伺います。

〇松永スポーツ振興局招致推進部長 都は、多摩地域を含めまして招致機運の醸成を図るため、スポーツ祭東京二〇一三の開催機運盛り上げと連携したPR活動を展開しております。
 ご指摘の多摩地域につきましては、先ほどご答弁いたしましたとおり、サッカー予選や近代五種の競技を実施するとともに、ライブサイトを多摩地域の公園に設置するほか、文化・教育プログラムを実施する予定でございます。
 こうした競技大会の具体的なかかわり方を伝えていくことで、多摩地域における招致機運醸成につなげてまいります。

〇中村委員 多摩地域で競技会場が一カ所ということで、機運醸成について質問しましたが、競技会場だけではなく、練習会場や事前のキャンプなどの開催を呼び込むことで盛り上げることもできるかと思います。
 二〇〇二年に日韓でサッカーのワールドカップを開催した際には、大分県中津江村がカメルーンの選手団を招いたことが話題になりました。こうしたこともそれぞれの市区町村でこれから取り組むことにもなりますが、そのためには情報提供が必要です。
 まだ申請ファイルの段階で、練習会場までは記載がないのですが、各市区町村で練習会場となり得る施設がどこにあるのか、使用できるのか、都から協力を求めていくことも必要ですし、また、海外の選手団を誘致するにも、招致から開催までの流れについて情報提供し、緊密に連携していく必要も出てきます。
 既に競技会場となっている区市とは話をしていると思いますが、幅広い連携をするために、都から市区町村に練習会場の協力要請や、キャンプなどを誘致するための情報提供を行うなど、都から市区町村への連携をしていく必要があるかと思いますが、ご所見を伺います。

〇松永スポーツ振興局招致推進部長 二〇〇八年の北京大会開催前には、地理的条件や練習環境の良好さから、多くの外国人選手団による事前合宿が日本の各地域で行われ、地元の方々との交流が深まると同時に、地域においては開催機運が一気に高まったところでございます。
 このような事前合宿の実施に限らず、大会開催中に使用する練習会場などが身近な場所に設置されることが決まれば、選手や大会を応援しようとする機運が高まり、自発的な盛り上がりが期待できるところでございます。
 練習会場につきましては、競技会場以上に選手村から近いことが望ましいとされておるところでございますが、招致機運の醸成にもつながる事前合宿に関する情報提供なども含めまして、都内市区町村との連携体制の強化を図ってまいります。

〇中村委員 連携の強化を一層図っていただきたいと思います。
 次に、オールジャパンとしての体制について質問をします。
 報道によると、多くの招致関係者が声をそろえて、国のバックアップが前回とは全然違うと述べているそうです。昨年、スポーツ基本法が制定され、国会での決議もいち早くなされ、メーン会場も国立競技場が改装されることになるなど、オールジャパンの体制構築が早くから進んでいます。オリンピックは都市開催なので、東京都が手を挙げたのですが、今や国を挙げての活動になっている中で、政府の動きは大変評価できるものです。
 そこで、前回と今回で国の動きはどのように違うのか、そのことが国際的にどのような評価につながっているのか伺います。

〇松永スポーツ振興局招致推進部長 今回の招致活動では、昨年十一月に立ち上げました招致委員会の評議会に、総理大臣を初め全閣僚が参加するなど、オールジャパンの体制が構築されております。
 また、昨年十二月には閣議了解が、前回は立候補ファイル提出後となっておりました国会決議が申請ファイル提出前になされるなど、招致活動の早い段階から国の支援が得られておりまして、こうした点については申請ファイルにも記載しているところでございます。
 IOCは、政府保証書を初めとして、招致活動に対する国の支援を非常に重要視していることから、今回の動きはIOCから高い評価を得られるものと考えております。

〇中村委員 オールジャパンの体制ということで今伺いましたが、そういう中で、やはりスポーツ選手や団体等の当事者の盛り上がりが大切です。
 これは、仕事をしながらのアマチュア選手にも積極的に参加をしてほしいのですが、特にスポーツというジャンルで生活をしているプロスポーツの選手にとっては、みずからの業界を育てるためには、行政が頼まなくても積極的に参加をしていただきたいと思っています。
 最終的にはIOC委員の投票で決まるわけですから、あらゆる人脈を使うことが必要であり、海外で活躍するスポーツ選手や監督、さらには、日本では有名ではなくても、海外では著名な選手やタレントも起用するなど、その国で有名な人を起用することも必要です。こうした多彩な人材の協力を得ての活動についてのご所見を伺います。

〇松永スポーツ振興局招致推進部長 東日本大震災の被災地における熱心な支援活動が人々に勇気や元気を与えている例を挙げるまでもなく、著名人による情報発信力の高さには目をみはるものがございます。現在では、そのグローバルな活動により、スポーツ界のみならず、文化芸術の分野におきましても活躍する日本人がふえてございます。
 海外でのプロモーション活動は、IOCの行動規範により、原則として立候補ファイルの提出後でなければ行えませんが、効果的なプロモーションが展開できるよう、海外で活躍する著名人にも協力をいただけるような働きかけを行ってまいります。

〇中村委員 次に、都民の理解をどう得ていくのかについて伺います。
 招致費用には当然税金が使われるのですが、それが適正に効果的に使われることは当然ですが、理解を得るためには、招致戦略に支障がないものは積極的に公開していくことも必要だと思います。
 特に招致活動が単なるイベントに終わるのではなく、実際に被災地の方々にとって復興支援につながっていくこと、また、都民にとっては、スポーツが身近なものとなり、日常的に健康のため、地域社会の親睦のため、スポーツ振興につながることも大切です。
 招致活動が復興支援やスポーツ支援につながること、そして、それをPRすることが大切だと考えますが、ご所見を伺います。

〇松永スポーツ振興局招致推進部長 招致費用の一部は公金で賄われておりまして、その執行に当たりましては、透明性や公正性等が求められることはいうまでもございません。透明性の確保のため必要と考えられるものにつきましては、適切に情報公開を行うとともに、より多くの都民、国民の皆様に招致活動について理解していただけるよう、積極的な情報発信を行ってまいります。
 また、大会開催は、スポーツが持つ力を通じて被災地を元気づけることにつながるとともに、都民、国民のスポーツへの参加が拡大し、都市の中心にスポーツが根づくことになります。
 このような開催意義を、メディアへの露出を意識しながら、さまざまな招致活動に織りまぜ、積極的にPRしてまいります。

〇中村委員 ご答弁ありがとうございました。今回、さまざまな角度から招致活動について質問しました。支持率については、単純に数値だけで他の国と比較はできませんが、都民の中には、招致活動よりも被災地の復興支援にこそ使うべきという声も聞くことはありますが、一方では、こうしたときだからこそ招致すべきという意見もあります。
 復興には経済的支援が必要ですが、精神的な支援も必要です。招致を通じてスポーツの振興になり、交流が活発になり、活力につながり、招致活動そのものが復興支援につながっていると認めてもらえるようになることが重要です。
 なぜこんなときにではなく、こんなときだからこそと思ってもらえるような活動が必要です。今後の活動を期待して、質問を終わります。

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