トップページ > 都議会質問 > 都議会厚生委員会 > 動物行政に関して飼い主のいない猫の対策について質問

都議会質問都民の声を都政に届ける

動物行政に関して飼い主のいない猫の対策について質問

2011年9月20日、東京都議会 厚生委員会において、都民から提出された「都民と犬猫との共生に関する陳情」について質問しました。動物行政に関して飼い主のいない猫の対策について東京都 福祉保健局に質問しました。以下に質問と答弁を掲載します。

〇中村委員 都民と犬猫との共生に関する陳情につきまして質問します。
 陳情の審査に当たり民主党の議員で、東京都動物愛護相談センターを見学しましたが、ご対応ありがとうございました。また、ちょうど本日、九月二十日から二十六日は動物愛護週間に当たり、先週の週末にも東京都は上野公園でイベントを開催されました。ご担当者の方は、お疲れさまでした。
 陳情は犬、猫の殺処分を禁止することを求めています。動物愛護管理法では、基本原則はみだりに殺すことなく、人と動物との共生への配慮を求めていますが、一方で、できる限り苦痛を与えないとしながらも、やむを得ず殺す場合の規程もあります。動物への愛護を前提としつつ、飼い主のいない犬、猫などへの施策等を質問して審査したいと思います。
 動物に関しては、都民にもさまざまな考え方があり、私のところにもさまざまな意見が寄せられます。ペットブームや家族構成の変化などにより、動物を大切にする方も多いのですが、一方では動物が好きでない方もいます。そこで最初の質問として、都は動物愛護に関する事業については、どのような考え方に基づいて取り組んでいるのか伺います。あわせて致死処分については、やむを得ない状況での実施と推察しますが、考え方について伺います。

〇中谷健康安全部長 都の動物愛護に関する考え方についてでございますが、都は、東京都動物の愛護及び管理に関する条例、及び東京都動物愛護管理推進計画におきまして人と動物の調和のとれた共生社会の実現を目指すことをうたっており、動物の致死処分数の減少に向けまして、捕獲、収容数の減少や返還、譲渡数の拡大に向けたさまざまな取り組みを行っているところでございます。しかしながら育成困難な子猫、新しい飼い主を探すことが困難な高齢な動物、安楽死せざるを得ない負傷動物など、譲渡に適さない動物につきましては、致死処分せざるを得ないというふうに考えております。

〇中村委員 致死処分についての状況を伺いました。ただ、先ほども述べましたが、できる限り苦痛を与えない方法でとされています。これまでも民主党の議員からこの点についてたびたび指摘していますが、炭酸ガスを用いた方法から、麻酔薬を用いた安楽死措置への変更についても検討していただきたいと思います。
 次に、致死処分の状況について伺います。先ほど、現在の状況についての説明がありましたが、平成二十一年度で四千二百七十四頭と、十年間で七割減少したとのことでした。都の取り組みや都民の動物に対する考え方の変化など、さまざまな要因があったと思いますが、その主な要因について伺います。

〇中谷健康安全部長 都はこれまで飼い主の適正飼養に関するモラルの向上、ボランティア団体との連携による譲渡対象動物の拡大、飼い主のいない猫対策による子猫の減少、こういった施策に取り組んできておりまして、こうした取り組みが致死処分数の減少に結びついていると考えております。

〇中村委員 致死処分の減少は飼い主のモラルの向上が要因の一つとのことでした。しかし、飼い主のいない動物の問題は、一部の飼い主の身勝手な行動が原因としてあります。飼い主に責任ある対応をさせるために、都はどのように取り組んでいるのか伺います。また、ペットショップがふえていますが、動物を販売するに際してどのような責任を負っているのでしょうか。それに対して都がどのように監督をしているのかを含めてお伺いします。

〇中谷健康安全部長 都は犬や猫の飼い主に対しまして、適正な飼い方等を徹底するための講習会やパンフレットの配布など、普及啓発の取り組みを実施しております。また、ペットショップなどの動物販売業者には購入者が動物を適正に飼養できるよう、販売時に動物の特性や飼育上の留意点等を文書で説明することや、動物の適正な取り扱い、施設基準の遵守等が法律で義務づけられております。
 これら動物販売業者に対しましては、本年四月に動物愛護相談センターにおける監視班を増班いたしまして、定期的な立入検査を強化するとともに、年一回以上の受講が義務づけられております動物取扱責任者研修などを通しまして、指導監督や普及啓発を行っているところでございます。

〇中村委員 さて、一昨日、三鷹市でも市民団体によって地域猫についてのセミナーが開催され、私も参加してきました。心ない飼い主等のために犬や猫を原因としたトラブルが地域で起きていることから、都内各地でも市民団体が活動しています。動物については、住民にも好きな方、嫌いな方がいて意見が分かれますが、飼い主のいない猫を何とかしなければならないということは共通の課題です。
 たまたま自分の近所に動物が捨てられ、ごみを荒らされ、ふん尿をされたときには、その方にとっては本当に深刻な問題になります。東京都の平成十八年度の調査によると、猫は八十四万頭が飼育され、飼い主のない猫の数は約十五万頭と推計されています。大変大きな数字です。そのため、住民や市民団体が飼い主のいない猫への対応として不妊去勢手術を行うのですが、経済的な負担も大きくなっています。そのため、市区町村が飼い主のいない猫について不妊去勢手術実施への助成をするに当たり、都は包括補助をしていますが、その趣旨と効果について伺います。

〇中谷健康安全部長 現在、致死処分となる犬、猫の大半を占めるのが飼い主のいない猫が産んだ子猫でございます。飼い主のいない猫に対する不妊去勢手術はこうした子猫を減らすために有効なことから、都は平成十九年度から区市町村における取り組みに対しまして、包括補助制度による財政面での支援を行っております。こうした取り組みが致死処分数の着実な減少に結びついているというふうに考えております。

〇中村委員 包括補助制度によって飼い主のいない猫対策を行い、市区町村は十三区十三市町村が取り組みを展開しているとの説明がありました。実際には、二十三区では独自の財源で事業を行っている区も含めると、大半の区が事業を行っているようです。一方、多摩地域では独自の財源で事業を行っている市町村はわずかなために、全体では半数に満たない自治体しか事業を行っていません。都のさまざまな事業において、二十三区と多摩地域の格差があるのですが、こうしたところにも基本的な財政力の差があらわれています。包括補助や、市町村総合交付金のさらなる拡充が望まれます。とりわけ住民への支援は自治体ごとに違うため、内容が十分でない場合、住民の経済的な負担も大きくなってしまいます。自治体の施策が充実するよう、都の一層の支援を要望します。
 また、都福祉保健局によると、猫に関する苦情が年間約一万件寄せられているとのことです。動物が原因で起こる近隣トラブルは都市における大きな問題となっています。そこで、こうしたトラブルへの対策として地域猫の取り組みがあります。都は地域猫の取り組みについて、どのように考えて取り組んでいるのでしょうか。また、猫に対する感情は人によって違うのですが、地域から理解が得られない状況でのえづけについては、トラブルになることも多いようです。最近では、迷惑なえづけを禁止する条例を定める自治体もあるようです。都としてはどのように考えて対応しているのか伺います。

〇中谷健康安全部長 まず、飼い主のいない猫対策についてでございますが、致死処分数や猫に関する苦情を減少させるために、地域のボランティア団体等が飼い主のいない猫をふやさない各種取り組みを住民との理解と協力を得て実施いたしまして、あわせて地域の衛生環境の確保を図るものでございます。具体的には不妊去勢手術の実施や、町内会、自治会等との会議の開催、トイレの整備、普及啓発等を実施するものでございまして、区市町村はこれらの取り組みを支援するものでございます。
 飼い主のいない猫対策について、都は地域が主体となり、猫を命あるものだという考え方で地域の合意のもとに、地域で猫を適正に管理していくということで進めていくべきものと考えており、包括補助事業などにより、区市町村を支援していくことにより、飼い主のいない猫対策を推進しております。また、適正な管理等を行わずに飼い主のいない猫にえさを与えることは、周辺への迷惑やトラブルの発生につながるため、都はえさを与える人がえさの食べ残しの処理や、トイレの管理など地域の衛生環境への配慮を自覚するよう、パンフレット等により啓発活動を行っているところでございます。

〇中村委員 ご答弁ありがとうございます。地域猫への取り組みは、周りの住民の理解がなければ近隣トラブルも発生しかねません。より一層の広報、啓発活動を要望します。
 さて、陳情者の犬、猫の殺処分を禁止することという趣旨は、心情的には理解できます。しかし、この間の都の取り組みや都民の協力で減少してきたのですが、最小限やむを得ず致死処分を行っている状況もあるようです。無責任な飼い主をなくすなどの一層の取り組みをし、致死処分をしなくても済む状況をつくる努力をすることを要望して質問を終わります。

ユーティリティ

過去ログ

ページの先頭へ ▲ページの先頭へ