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都議会質問記録

【4】2009/11/17 建設局の事業について質問

2009年11月17日、東京都議会 環境・建設委員会において、建設局の事務事業報告に対して質問を行いました。以下に質問と答弁を掲載します。

1.公園事業について

〇中村(ひ)委員 それでは、建設局の事務事業報告について、大きく三つの視点から質問します。公園、河川、道路事業について質問しますので、ご答弁をよろしくお願いします。
 まず一つ目の質問として、公園事業について質問します。
 民主党は、都議会議員選挙のマニフェストで、環境の視点から都市公園の整備や校庭の芝生化などにより、三年間で四百ヘクタール以上の新たな緑を創出することを提案しました。東京都が都市戦略として発表した「十年後の東京」においても、東京の成長過程で失われた緑と水に囲まれた都市空間を再生するとともに、美しい都市景観を創出し、東京の価値をさらに高めることを政策の方向性として打ち出しています。
 これまで新たな緑の創出に向け、さまざまな事業に取り組んできたと思いますが、とりわけ緑のネットワークの拠点となる都市公園の整備が重要と考えています。
 そこで、広域的な緑のネットワークの拠点となる都市公園の整備について、今後の取り組みについて伺います。

〇小口公園緑地部長 「十年後の東京」では、第一の目標を水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させるとしており、その実現には、都立公園の整備は重要であります。
 都立公園の整備につきましては、「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇九において、平成二十一年度から平成二十三年度までの三年間で七十ヘクタールを新たに開園することとし、事業に取り組んでおります。

〇中村(ひ)委員 ご答弁ありがとうございます。ぜひとも計画どおりの公園整備をお願いします。私の地元の三鷹市にも、井の頭公園などの都立公園がありますが、都会の中の豊かな自然を地域の住民の方も憩いの場として利用されています。
 公園の整備については、計画段階で、住民の声や、それを取りまとめる自治体の意見を聞き、反映させる必要があります。最近、地域の小さな公園でも地域住民と一緒に計画をつくる取り組みがふえてきました。
 そこで、都立公園の整備計画を策定する際には、地元自治体や都民の声を聞いているのか伺います。

〇小口公園緑地部長 都立公園の整備計画は、学識経験者や公募の都民委員等から成る東京都公園審議会の答申を受け策定しております。
 都立公園は、その性格上、広域的な利用がされることなどから、計画策定の過程において地元自治体の意見を聞くとともに、パブリックコメントなどを実施し、広く都民の意見を聴取しております。

〇中村(ひ)委員 ぜひとも、自治体や住民の意見をしっかりと受けとめて反映をさせていただくようお願いをします。
 さて、都立公園の整備も必要ですが、身近な公園整備も緑のネットワーク形成には必要です。「十年後の東京」の実現には、区市町村の公園づくりの支援が必要だと思います。
 そこで、都市公園を整備する区市町村に対する東京都の支援の取り組みについて伺います。

〇小口公園緑地部長 都は、区市町村の公園整備の促進に向けて、技術や財政面の支援を行っております。
 技術面については、緑の基本計画策定への助言、公園設計マニュアルの提供などの支援を行っております。
 また財政面については、区市町村が必要とする国庫補助金について国に対し働きかけるとともに、市町村土木補助を、平成二十一年度は前年度に比べ約四億五千万円に増額し、支援を強化しているところでございます。
 今後とも、緑の拠点づくりのために、積極的に区市町村の公園整備を支援してまいります。

〇中村(ひ)委員 ありがとうございました。大変重要な公園整備の事業ですので、今後ともお願いをいたしまして、次に、河川整備についての質問にいきます。

2.河川事業について

〇中村(ひ)委員 台風や集中豪雨による洪水から都民の命と暮らしを守る中小河川の整備は重要な事業であるとの認識から、民主党のマニフェストでは、河川整備のスピード一割アップを公約しました。また、さきの第三回定例会でも幹事長から質問したところです。そこでまず、一時間五〇ミリの豪雨に対する対応はいつを目標に完成するのか伺います。

〇廣木河川部長 中小河川の整備につきましては、都は、これまで一時間五〇ミリの降雨に対応できるよう、河川の拡幅や分水路、調節池などの整備を進め、水害の軽減に努めてまいりました。
 これらの整備により、護岸の整備と調節池の効果を加えた、平成二十年度末の五〇ミリ降雨の治水安全度を七五%まで高めてまいりました。
 その一方、整備に当たっては、住民の理解や協力を得ながらの用地取得や、都市部特有の密集市街地での施工など、課題も多く、多大な費用と時間を要しております。
 今後とも、必要な財源確保など、課題解決に努め、事業のスピードアップを図りながら、着実に事業を進めてまいります。

〇中村(ひ)委員 完成に向けて積極的な促進を期待いたします。また、近年、都市部を中心に一時間五〇ミリを超えるような豪雨が多発しており、東京都においては、妙正寺川などで大きな被害をもたらした平成十七年九月の集中豪雨や平成二十年八月末豪雨など、一〇〇ミリを超える局所的な集中豪雨が発生しています。
 これらを踏まえて、東京都技術会議において、狩野川台風級の七五ミリを視野に入れた検討との提言もあります。また、第三回定例会において検討に着手した旨の発言もありました。
 そこで、七五ミリ対応の検討の見通しと、現在の整備水準である五〇ミリを大幅に超えるような局所的な集中豪雨にどう対応するのかを伺います。

〇廣木河川部長 まず、整備水準を超える降雨への対応につきましては、河川の拡幅や調節池の整備などのハード対策に加え、いざというときに都民の迅速な避難行動に結びつく雨量水位情報の提供、洪水ハザードマップのもととなる浸水予想区域図の公表など、ソフト対策もあわせて推進しております。
 次に、七五ミリ対応の検討でございますが、東京に既往最大の被害をもたらした狩野川台風級の七五ミリ降雨を視野に入れまして、今後の河川整備のあり方について検討を進めております。
 具体的には、学識経験者の意見を聞きながら過去の降雨データを解析し、既定計画の河川施設の再評価を行い、調節池の増設など、必要となる河川施設を検討してまいります。
 今後とも、都民生活の安全確保に努めてまいります。

〇中村(ひ)委員 都民の安全のためにしっかりとした取り組みの方をお願いをいたします。
 さて、中小河川の整備に関しては、安全が第一であることは十分承知していますが、また、まちの中で潤いも重要です。例えば仙川は、三鷹市の北西部を流れている箇所は、平時には水もなく無味乾燥な川です。水は、市民の心に潤いを与えます。当該箇所を含む区間は五〇ミリ整備が必要でない区間であることは聞いていますが、河川沿いの公園や大型住宅用地などを活用した水辺空間の創出も重要であると考えます。ぜひこれらの施設の管理者と連携を図りながら、東京都が主導的な立場で整備を進め、安全で潤いのある河川の創出を目指していただくということを要望して、河川に関する質問を終えて、道路に関する質問に移りたいと思います。

3.道路事業について

〇中村(ひ)委員 まず、道路事業についての最初の質問として、道路の整備について三多摩での状況を伺います。
 都政においては、その制度の違いから、さまざまな場面で三多摩格差という言葉を聞きます。実際、都市計画道路の整備率もまだまだ差があります。三多摩格差をどう考えるか伺います。
 また、区部とは財政的に差のある市町村へのさらなる支援が必要と思いますが、どう考えるかお伺いします。

〇藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 都は、これまで三次にわたる都市計画道路の事業化計画などを策定いたしまして、多摩南北主要五路線を初めとする骨格幹線道路や多摩川中流部橋梁の整備等を重点的に実施してまいりました。
 これらによりまして、区部と多摩地域の都市計画道路の整備率の差は、平成元年度の一六%から、平成二十年度末見込みで七%まで、大幅に縮小してきております。
 また、市町村への支援といたしましては、都は、市町村土木補助事業や、新みちづくり・まちづくりパートナー事業を行ってございます。これにより、まちづくりの推進などに資する市町村施行の道路整備に対して、財政、技術の両面から積極的に支援を行っております。
 今後とも、交通の円滑化はもとより、地域の利便性、安全性、防災性の向上に寄与する多摩地域の道路整備を積極的に推進してまいります。

〇中村(ひ)委員 道路が狭く、大変危険な箇所については、地域からの要望も強く、早急な整備が望まれます。私の地元の三鷹市でも都道の整備が大きな課題となっています。
 まず、今後の三鷹市内の連雀通りの整備の計画はどうなっているのか伺います。

〇藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 お尋ねの三鷹市内の連雀通りは、延長四・五キロメートルのうち、その約八割の三・八キロメートルが計画幅員十六メートルの三鷹都市計画道路三・四・七号線として位置づけられております。
 このうち、狐久保交差点付近から南浦交差点までの〇・七キロメートルの区間は、多摩地域の第三次事業化計画における優先整備路線であり、今後、沿道のまちづくりの状況等も踏まえ、事業化を図ってまいります。
 優先整備路線以外の区間でも、かえで通り付近の〇・二キロメートルの区間において、自転車歩行者道の整備を進めてございます。また、三鷹通り東側の〇・二キロメートルの区間では、三鷹市と連携して新みちづくり・まちづくりパートナー事業による整備に本年度から着手いたしました。
 国の来年度概算要求で道路関係予算が二割削減されるなど、道路財源は厳しい状況にございますが、今後とも、必要な財源確保に努め、これら区間の早期整備に取り組んでまいります。

〇中村(ひ)委員 狐久保の交差点と南浦交差点の間の沿道では、現在、住民を中心としてまちづくり協議会などもつくられています。地域のまちづくりも視野に入れながら、早期の整備をお願いしたいと思います。
 また、都市計画道路ではありませんが、都道である三鷹市内の人見街道も大変狭く、地域から、こちらも早急な整備についての強い要望がありますが、整備計画はどうなっているのか伺います。

〇藤江道路保全担当部長 人見街道は、三鷹市内の延長が六・三キロメートルございます。
 このうち、大沢交差点から野崎二丁目交差点までの延長〇・六キロメートルの区間で、現在、歩道の整備を進めております。用地取得を終えました約八割の箇所で、順次工事に着手しております。
 また、JAむさし三鷹支店交差点付近では、第二次交差点すいすいプランによりまして、延長〇・二キロメートルの区間で、交差点の改良と、それにあわせて歩道の整備も進めております。今年度から用地取得に着手したところでございます。
 今後とも、三鷹市及び地元住民の方々の理解と協力を得ながら、道路の整備に努めてまいります。

〇中村(ひ)委員 私もよく地域の道路を歩きますが、歩道で段差が大きかったりとか、勾配がきつく、高齢者や障害者などが歩きにくい状況となっている箇所が見受けられます。
 バリアフリーからユニバーサルへと考え方も進化する中、だれもが快適に通行できるという観点から、道路管理者が道路を点検して道路の状況を把握する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

〇藤江道路保全担当部長 都は、都道におきまして、道路の機能を確保し、いつでも円滑、安全に道路を利用できるよう、常に良好な状態に保つため、主として車両による道路巡回パトロールを日常的に実施しております。また、職員が工事の立ち会いなどで現場に赴く際においても、途中の道路状況を確認しております。
 さらに、都民から、各建設事務所や工区に、都道に関する通報を受けた場合には、職員が速やかに現地の確認を行い、状況に応じて必要な対応をとっているところでございます。

〇中村(ひ)委員 都は、道路管理者として道路状況の把握に努め、必要な対応をしているということは理解しました。ただ、高齢化社会を踏まえて、本当に高齢者の方が引きこもることなく外で歩いていただけるということは健康にもつながることだと思いますので、さらにきめ細かく道路の点検を行い、しっかり道路の状況を把握していただきたいと要望いたします。
 最後の質問としまして、安全で快適な自転車走行空間の整備について伺います。
 自転車は、環境への負荷が少ない日常的な都民の足として利用されている交通手段であり、歩行者と自転車がともに安全で快適に通行できる空間の整備が重要であると考えています。これまでの自転車走行空間の整備は、主に広い歩道のある道路で進められていると聞いていますが、歩道幅員の狭い道路においても、自転車が安心して通行できるような整備を進めていく必要があると考えます。そこで、都の自転車走行空間整備の取り組みについて伺います。

〇藤江道路保全担当部長 自転車は広く都民に利用される重要な交通手段の一つであり、歩行者と自転車がともに安全で快適に通行できる空間の整備が重要であると考えております。
 都は、これまで、浅草通りや国際通り、東八道路など、広い歩道を活用して、また、環状六号線や調布保谷線などでは、道路の新設や拡幅に合わせ、歩道内で自転車が走行できる空間の整備を進めてきております。
 歩道幅員の狭い道路で自転車走行空間を確保することはなかなか難しい課題であると考えておりますが、新たな工夫の一つとして、平成二十年三月に、渋谷区内の旧玉川水道道路におきまして、交通管理者と連携して、都内で初めて現道内の車道の一部に自転車レーンを整備いたしました。
 今後とも、自転車レーンを含め、多様な手法を用いて、安全で快適な自転車走行空間の整備を積極的に推進してまいります。

〇中村(ひ)委員 自転車に関しては、先ほどの委員もお話ありましたが、歩行者と自動車の間で中途半端な位置づけになっているといわざるを得ず、自転車に関する事故も頻発しています。ただ、環境の視点からも、コミュニティサイクルなどの取り組みも始まるなど、今、自転車が見直しもされています。
 今後、自転車走行空間の整備については、総合的な計画を策定し、注力して取り組んでいただけるよう要望いたします。
 さて、今回道路について、身近な歩道の整備や自転車走行空間について質問しましたが、都民の皆様からは、幹線道路の整備とは別に、日常利用する道路について、安全の観点からも整備への強い要望があります。限られた財源の中ではありますが、こうした身近な道路の整備にもぜひ注力していただきたいと思います。
 また、環境への関心も高まる中、自然環境の保護や街路樹の整備という視点もますます重要になっています。今後の道路事業において、都民の皆様の期待にこたえていただくよう述べて、質問を終わります。ありがとうございました。

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