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都議会質問記録

【4】2011/03/01 包括外部監査への対応、都立松沢病院の再整備について質問

2011年3月1日、東京都議会 厚生委員会において、議案審議が行われ包括外部監査の指摘への対応、都立松沢病院の精神医療センターへの再整備の2つの課題について、東京都病院経営本部に質問しました。以下に質問と答弁を掲載します。

(1)包括外部監査への対応について

〇中村委員 それでは、大きく二点、包括外部監査と、都立松沢病院の再整備について質問します。まず、包括外部監査について質問します。先般、包括外部監査報告書が公表され、監査対象である都立病院及び財団法人東京都保健医療公社病院の財務事務の執行と経営管理について、二十三の指摘と四十八の意見が付されました。都知事は、二月十日の定例記者会見で、包括外部監査について質問されると、十年近くたって病院だけがまだこのていたらくだと述べられました。知事はこのようにいうのですが、病院経営本部のこの十年間の取り組みをお答え願います。また、包括外部監査で多くの指摘があったのですが、どのように受けとめて対応していくのか、伺います。

〇黒田経営企画部長 平成十一年度の外部監査の指摘や意見につきましては、順次改善に努めまして、平成十七年度までに外部監査人にも確認を受けた上で、すべての事項について対応をしてきたところでございます。一方、診療報酬制度の相次ぐ変更や景気の低迷など、医療を取り巻く急激な環境変化の中にありましても、医療サービスの向上を目指して都立病院改革を進めてまいりました。しかしながら、専門的知識や経験が豊富なベテラン職員の大量退職などの影響もございまして、結果として、事務管理について十年前と同様の指摘を再度受けることとなりました。このため、病院経営本部では、今回、指摘、意見を受けたことを重く受けとめ、外部専門家によるアドバイザリーチームを組織いたしまして、日常的な指導や監督を受けながら、事務処理を改善してまいります。とりわけ早急に対応が必要な未収金の滞納整理につきましては、実務の専門チームを編成して取り組みを強化することで未収金額の縮減を図ってまいります。さらに、事務の専門性が大きな課題となっております医事部門につきましては、外部人材の登用や職員の意識改革など、専門性の高い職員の育成にも、これまで以上に力を注いでまいります。

〇中村委員 監査結果は重く受けとめて、ぜひとも改善に努めていただきたいと思います。さて、記者会見や議会での答弁など、この間の知事の発言を聞いていて違和感を感じるのですが、自分に全く責任がないような他人ごとの話をしています。また医師である院長の上にCEO、すなわち最高経営責任者を置くことも話されました。私は都知事こそが最高責任者だと思っていましたが、違うということでしょうか。知事と病院経営本部長と院長の責任と役割がどうなっているのか、お答え願います。

〇黒田経営企画部長 知事は、都民の信託を受けまして都政全般を統括する責任者でございまして、さまざまな行政分野におきまして都民サービスを提供する役割を担ってございます。病院経営本部長は、知事の補助機関として都立病院の管理及び運営のために必要な事務をつかさどりまして、本部の責任者として所属職員を指揮、監督する役割を担ってございます。病院長は、各病院の運営に関する現場の責任者でございまして、それぞれの病院が担うべき医療機能を果たすべく、病院経営を行うことを役割としてございます。

〇中村委員 CEOを置くかどうかは別にして、知事が都政全般を統括する責任者であることは間違いありません。だれに責任があるかの議論を都庁内でするのはいいのですが、都民に対する責任は知事が負うものだと思います。さて、公営企業会計は本来独立採算とはいえ、一般会計からの繰り入れがあります。これは利益だけを追求するのではなく、公立病院の役割があるからだと思います。もちろん甘い経営であってはならないのはいうまでもありません。都立病院の役割をどのように考えているのか、伺います。

〇黒田経営企画部長 都立病院の基本的な役割は、感染症医療などの法令等に基づき対応が求められる医療や、難病、精神科身体合併症医療など、一般医療機関におきまして対応が困難な医療等の行政的医療を提供することでございます。こうした医療は、たとえ不採算でありましても、都立病院は、将来にわたり安定的かつ継続的に都民の方に提供していかなければならないと考えてございます。このため、診療報酬の新たな加算の取得など収入の確保や支出の見直しによる収支バランスの確保と、医療サービスの向上と両立を図りながら、不断の改革を推進してまいります。

〇中村委員 お答えいただいたように、公立病院としての役割を果たしながら、不断の改革に取り組んでいただくことをお願いして、次の質問に移ります。

(2)都立松沢病院の「精神医療センター」への再整備について

〇中村委員 次に、都立松沢病院の再整備について伺います。平成二十年一月に策定された第二次都立病院改革実行プログラムをもとに、都立松沢病院は精神医療センターへと再整備がなされます。改めてその意義を伺います。建物が老朽化したから建てかえるというだけではないと思いますので、現状の課題にどのように対応していくのかを含めて、再整備の意義をご説明願います。

〇齊藤経営戦略・再編整備担当部長 近年、統合失調症やうつ病、神経症、ストレス障害、薬物、アルコール依存症、認知症など、精神疾患患者が増加しており、その対策が社会的に喫緊の課題となっております。このため、松沢病院ではこれらの課題解決を図っていくため、急性期の精神科医療を中心に再編整備することとしております。具体的に申しますと、他の医療機関では対応困難な精神科救急医療、精神科身体合併症医療、薬物、アルコール依存症などの精神科特殊医療など、行政的医療を充実強化するとともに、医療機能の向上と、病棟の集約化を図ってまいります。

〇中村委員 都立病院なので、当然に行政的医療を担うのですが、病床数が従来施設と同規模の八百九十七床となっています。長期入院者の退院促進がいわれる中、都立病院が率先して病床数を減らすことが必要だという意見もあります。とりわけ実行プログラム制定後に、福祉保健局で障害福祉計画が制定されているのですから、その間、さらに社会的入院の削減の流れが一層進んでいると思います。社会的入院をどのように減らしていくのか、ご所見を伺いたいと思います。

〇齊藤経営戦略・再編整備担当部長 長期入院患者の退院を促進するため、まず、退院援助などの相談業務や、看護師、精神保健福祉士、いわゆるPSWなどの多くの職種による訪問看護、地域の福祉施設などとの退院調整会議の実施などを行ってまいります。さらに、生活リズムの確立や対人関係能力の向上などを目指す精神科デイケアを実施してまいります。また入院時から医療福祉相談や作業療法など、院内各部門と積極的に連携し、新たな長期入院患者の発生防止に努めてまいります。

〇中村委員 長期入院患者の退院は大変なことですが、退院援助への取り組みや、新たな長期入院患者の発生防止に努めることで、長期的には社会的入院のための病床数を減らしていけるよう取り組んでいただきたいと思います。さて、実行プログラムには、包括的地域医療サービスとして、多職種によるアウトリーチサービスを取り組むとあります。地域で暮らすために、福祉保健局もモデル事業を行い、これから本格化しますが、都立病院としてどのような役割を果たしていくのでしょうか、伺います。

〇齊藤経営戦略・再編整備担当部長 今後の訪問介護や、訪問診療など、地域生活への支援につきましては、先ほどもご答弁申し上げましたPSWを中心にしまして、地域の医療機関、福祉施設、行政機関などとの各種協議会の開催ですとか、症例検討会及びケア会議の開催などについて積極的に取り組んでまいります。さらに、地域の医療機関や関係機関に対して情報を発信するなど、福祉保健局と連携して、包括的地域支援サービスの普及、拡充に努めてまいります。特に、地元の精神障害者生活支援連絡協議会や、退院促進連絡会議などの地域ネットワークを積極的に構築してまいります。

〇中村委員 地元の世田谷区や、その近隣市区の関係者にとっては、松沢病院への期待は大きいと思いますので、積極的な取り組みをお願いします。さて、昨今、リストカットや大量服薬などの自傷行為で病院に運ばれる方も多いと聞きます。まずは外傷を治すため外科の病院に運ばれるようですが、その後は精神的な治療が必要となれば松沢病院でも治療をすることになります。他の都立病院と連携する中、自殺防止の取り組みを積極的に行う必要があると思います。また、自傷行為に限らず、精神と身体の合併症の対応は大きな課題だと思います。東京の救急搬送時間が長い要因の一つに、こうした課題もあるようです。そこで、松沢病院として、他の都立病院との連携の中で、自傷行為を含め、身体合併症について積極的に取り組む必要があると思いますが、ご所見を伺います。

〇齊藤経営戦略・再編整備担当部長 これまでも、都の精神科患者、身体合併症医療事業の一環として、都立では松沢病院を初め、多摩総合医療センター、広尾病院、墨東病院、公社は豊島病院におきまして、精神科身体合併症患者の夜間休日救急医療を実施してまいりました。松沢病院は、今後もこうした身体合併症医療事業を実施していくとともに、救命救急治療の必要な患者については、他の都立総合病院と連携しまして、総合病院は身体的治療を行い、松沢病院は身体的治療後における精神科治療を積極的に行うことによって、精神科身体合併症患者の受け入れ拡大を図ってまいります。

〇中村委員 自傷行為を含めた身体合併症への対応は大変ですので、民間病院では対応が難しいケースも多くあると思います。精神病院としての松沢病院だけではなく、他の都立、公社病院を含めて、東京都全体でのより一層の体制強化をお願いします。今後、社会的状況から精神疾患の患者はますますふえ、東京都のセンター的機能を果たす役割は大きくなります。東京都全体の政策は福祉保健局が担っていますが、現場を持った病院経営本部としては、しっかりと連携して東京都としての政策に生かしていただきたいと思います。今後、精神医療センターとして、東京都の精神保健行政における役割と方向性を伺って質問を終わりたいと思います。

〇齊藤経営戦略・再編整備担当部長 これまでも、病院経営本部としましては、精神科救急医療を初め、精神科身体合併症医療や、認知症医療など、福祉保健局と連携した精神保健施策を担ってまいりました。今後、精神科医療に関する新たな課題が発生した際には、福祉保健局と積極的に連携、協力して、都における精神科医療のセンター的役割を果たしてまいります。

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