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都議会質問記録

2020/02/27 代表質問で新型コロナウイルス対策等を質問しました

2月27日、都議会の本会議で会派を代表して小池知事等に質問を行いました。新型コロナウイルス対策、オリンピックの開催、就職氷河期世代への就労支援、財政運営、介護離職対策と介護人材確保、シルバーパスについて提案も含めて質問し議論し一定の答弁を引き出しました。一方、知事自身の政治姿勢を問う質問として、政治資金パーティーの自粛、カジノ誘致をすべきではないこと、非核都市宣言をすべきなど求めましたが、いずれも良い答弁はなく残念でした。

(実際には質問と答弁をまとめて行っていますが、1問1答に並べ替えています)

〇中村:私は、都議会立憲民主党・民主クラブを代表して、都政の諸課題について質問します。
 初めに、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
 国の対応が後手に回っているといわれる中、都民に身近な地方自治体のトップとして、これ以上の感染拡大を防ぎ、かつ過度な不安を取り除くための明確なメッセージが求められています。感染症対策はもちろん、社会的混乱、経済的損失、いずれに対しても迅速かつ的確な対処が必要です。
 都知事として、都民生活全体を考えるならば、当面の感染拡大防止に本当に必要な都民の協力や、長期戦も見据え、医療、福祉の現場はもちろん、交通、物流、生産、小売など、都民生活に欠かせない対人サービスや労働集約型産業において、その機能をどう維持していくのかなど、必要でありながら言及のなかった項目が多々あります。
 事態は予断を許しません。三月末の予算案議決までの間にも、本予算、補正予算には想定されていない事態が起こるおそれも十分あり、感染者がふえれば重症者もふえてしまうことに疑いはなく、指定医療機関以外の受け入れ体制、院内感染予防の徹底といった対策はもちろん、都民の命を守るために必要な受け入れ施設の確保や今後の整備も含め、果敢に行動することが必要と考えますが、知事の見解を伺います。

〇小池知事:中村ひろし議員の代表質問にお答えをいたします。
 まず、新型コロナウイルス感染症の医療体制等につきましてのご質問がございました。
 都におきましては、これまで、感染の可能性のある方から二十四時間体制で相談を受け付けます帰国者・接触者電話相談センターを設置いたしまして、相談を受けた中で感染が疑われる場合には、受け入れ体制が整備をされました帰国者、接触者外来の受診を案内する体制を整えております。
 また、検査体制につきましては、東京都健康安全研究センターで実施をいたしておりますPCR検査を一日に百二十件まで実施可能な体制に増強いたしまして、都内の医療機関から報告されます疑いのある患者の検査を迅速に実施をいたしております。
 検査の結果、陽性となられた方につきましては、感染症指定医療機関等で治療等を行うことといたしておりまして、これらの医療機関には、都から防護服を提供いたしております。
 今後、感染が拡大していく可能性を見据えまして、都は先般、東京都医師会や感染症指定医療機関の医師などの有識者から、今後の対策につきまして、速やかに都内の医療体制の強化に取り組むべく、ご意見をいただいたところでございます。
 また、国は、新型コロナウイルス対策本部で、今後の対策に係る基本方針を決定しました。
 都としましては、これらを踏まえながら、国や多くの医療関係者と緊密に連携をいたしまして、検査体制、医療体制の強化を迅速に進めて、新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでまいります。
 さらに、武漢からの帰国者への対応に係る課題を踏まえまして、感染の疑いのある方の経過観察を行うための一時滞在施設の機能等に関する調査検討を行ってまいります。

〇中村:企業、経済活動への影響も深刻です。新型コロナウイルス感染症により、日に日に都内経済への影響が大きくなっています。
 都内には、春節休暇から帰国した中国人などの従業員を自宅待機とする措置を余儀なくされている企業も数多くあります。こうした企業に対しては、負担の一部軽減を図る補助金のような仕組みが効果的であり、先々には検討する必要が出てくることも考えられます。
 しかし、事態は待ったなしの状況でもあり、今実行できる支援を早期に打ち出すことも重要です。
 感染症による事業活動への影響は多様であり、今後どこまでその影響が長引くか不透明な中、さまざまな影響が広がることが懸念されています。今回の感染症は一種の災害と同様の重大事案であり、早急に対策を講じるべきと考えますが、知事の見解を伺います。

〇小池知事:次に、新型コロナウイルス感染症に係る中小企業への支援でございます。
 新型コロナウイルスの流行が経済活動に与えます影響を最小限に抑える、その観点から、中小企業への支援を迅速かつ切れ目なく展開することが重要でございます。
 今回の補正予算におきましては、感染症による事業活動への影響を受けまして、一定の売り上げ減少などがある幅広い中小企業に対しまして、融資目標額を一千億円とする緊急融資制度を創設いたしまして、信用保証料の全額を都が補助するなど、円滑な資金調達を支援することといたしました。
 また、厳しい状況に直面をしている中小企業に対しましては、経営や法律の専門家を無料で派遣するとともに、国内外への販路の開拓支援も強化してまいります。
 こうしたセーフティーネットの取り組みを総合的に進めることによりまして、東京の経済の活力維持に万全を期してまいります。

〇中村:次に、非常時における働く人の安全確保についてです。
 私たちは、二〇一八年の台風時に、知事による非常事態宣言など社会的混乱を抑制するための取り組みを求めましたが、二〇一九年の台風時にも、鉄道会社などの計画運休に伴い通勤通学に大きな混乱を生じました。
 また、事業者によっては、各店舗での判断や自己判断に委ねる指示が出されたり、暴風雨の中、荷主の意向で配達をした運送会社もあったと聞きます。
 鉄道の計画運休については、都や経営者団体、労働団体などで協議が始まっていると聞きますが、台風に加え、今回の新型コロナウイルス感染症のような未知の感染症流行時も含めた、非常時における働く人たちの安全確保を第一に考えたルールやガイドラインが求められておりますが、都の見解を伺います。

〇遠藤総務局長:非常時における働き手の安全確保についてでございますが、計画運休時における出退勤のあり方につきましては、昨年、公労使による実務者会議を立ち上げ、次の出水期を目途として一定の取りまとめを行うこととしております。
 取りまとめに当たっては、テレワークや時差出勤を初めとするスムーズビズの取り組みを基本として現在検討を進めているところでございます。
 こうした取り組みは、新型コロナウイルス感染症から都民を守るためにも有効であり、都民や企業に対してスムーズビズに積極的に取り組むよう、都のホームページやツイッターで呼びかけを行っていくこととしております。
 働く人の安全確保に向け、各企業がその実情に合わせてスムーズビズ等の取り組みをより一層進めていくよう働きかけてまいります。

〇中村:知事の所信表明では言及がありませんでしたが、新型コロナウイルスへの感染に際して、多くの都民が心配しているオリンピックの開催について知事の見解を伺います。
 
〇小池知事:大会の開催に向けた取り組みについてのご質問でございます。
 大会の成功に向けまして、選手、大会関係者、観客の安全・安心を確保することは重要でございます。
 都はこれまで、感染症を含め、さまざまなリスクに対応するための対処要領を策定するなど、組織委員会を初め関係機関とも連携して準備を重ねてまいりました。
 さらに、先月国内で発生をいたしました新型コロナウイルス感染症に対応するために、速やかに対策本部を立ち上げまして、全庁を挙げましての迅速かつ幅広い対応に当たってきたところでございます。
 IOCからは、今月開催されましたプロジェクトレビューにおきましても、こうした都と組織委員会、国などがとっているさまざまな措置に信頼を抱いているとのご評価をいただいておりまして、現在も大会に向けての準備が計画どおりと伺っております。
 新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐためには、今がまさに正念場でございます。集中的な取り組みをしっかりと実施する。その上で、大会準備の総仕上げに引き続き全力を尽くしてまいります。

〇中村:国は、昨日、多数の人が集まる全国的なイベントの中止、延期等を要請、都は、みずからが主催する屋内の大規模イベントを原則として中止、延期することを明らかにしています。
 来月の聖火リレーやセレブレーションのリハーサルが始まっていますが、オリンピックを盛り上げようと企画されたものを初め、ほかにもたくさんのイベントが準備されており、参加人数の目安や十分な対策の具体例がないため、関係者は大変頭を悩ませています。
 こうしたイベントについても都が一定の指針を示すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 
〇小池知事:次に、都内で実施されますイベントの取り扱いについてのご質問でございます。
 新型コロナウイルス感染症をめぐる状況は日々変わっていく中で、都としましては、これまでも総力を結集して、やるべきことはちゅうちょなく全力で取り組んでまいりました。
 現在は、都内における新型コロナウイルス感染症の拡大を最小限に抑える上で、極めて重要な時期でございます。
 そこで、東京都といたしまして、首都東京の安全・安心確保の実現に向けまして、二月二十二日からの三週間を拡大防止の重要な期間と位置づけて、都が開催いたしますイベントの取り扱いについて対応方針を公表したところでございます。
 具体的に申し上げますと、特にリスクが高いとされる、おおむね五百人以上の大規模な屋内イベントであるとか、食事を提供するイベントを、原則延期または中止とすることといたしております。
 その他のイベントにつきましても、リスク評価の考慮事項や手洗いの励行など、実施する場合の注意事項を具体的に例示いたしまして、イベントごとにリスク評価を行った上で実施の可否等を判断することとして、開催する場合には感染リスクが極力生じないように取り組むことといたしました。
 区市町村や民間事業者が主催するイベントの取り扱いつきましては、都の取り組みを参考にしていただきたいと存じます。
 昨日、国からも大規模なイベントにつきまして中止、延期等の要請が出されたところでございますが、都におきましても引き続き、都内の感染状況を注視しながら、都が開催するイベントの取り扱いにつきましては適宜見直しを行って、感染症の拡大防止に向けて万全の対策を講じてまいります。

〇中村:加えて、東京マラソンの一般参加中止について、知事は参加料の返金に関して、二〇一八年大会の事業費や経費割合を示すなどして理解を求めましたが、私は、大会終了後、より詳細な形でその収支を公表するとともに、ランナーの意向を踏まえた対応策を速やかに示すべきと考えますが、見解を伺います。

〇潮田オリンピック・パラリンピック準備局長:東京マラソン二〇二〇の対応についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を未然に防止するため、今回大会においては一般ランナーの参加を中止する措置を講じることといたしました。
 主催者の東京マラソン財団では、今大会に参加できない全ての一般ランナーを対象に、来年の二〇二一大会に出走可能となる特別措置を行ったところであります。
 また、ランナーローブなど二〇二〇大会の各種記念品も配布することとしております。
 今後、財団において大会終了後に収支を精査すると聞いており、収支状況を踏まえた上で、ランナーの皆様に対してどのようなことができるのか、公表方法を含め財団とよく相談しながら実務的に検討してまいります。

〇中村:次に、都政運営について伺います。
 私は、戦略ビジョンをソサエティー五・〇やAIといった、今、真新しい言葉で語るだけではなく、その恩恵からこぼれる人にこそ目を向けて、二〇四〇年の東京を考えるべきと考えます。
 都民の暮らしと人に着目をし、貧困や格差などの将来不安を解消してこそ、希望の持てる社会となると強く申し上げ、以下伺います。
 とりわけ、これまで置き去りにされてきた就職氷河期世代、ロスジェネ対策についてです。
 私たちの少年時代には明るい未来として描かれた二〇二〇年を迎えました。しかし、現実は、日本の雇用が崩壊し、平均所得百七十九万円の非正規雇用四割の時代であり、ロスジェネは戦後初めて親より貧しくなった世代です。二〇四〇年問題といわれ、このままでは無年金、低年金で家賃を払えず、生活保護が激増する未来がやってきます。
 知事は、戦略ビジョンで長寿プロジェクトなるものを展開、人生百年を謳歌する絵を描きました。頑張れば豊かになれた年金、退職金がある私の親の世代や知事の世代にはこの認識かもしれません。
 SDGs、誰ひとり取り残さないといいますが、一人一人に焦点を当て、明るい未来に向けて一歩踏み出す予算としては到底足りません。バックキャスティングを標語にせず、ロスジェネ生活安定化計画といったプロジェクトを緊急に実施し、官民挙げて集中的な就労支援等の取り組みを行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 
〇小池知事:次に、就職氷河期世代に対する就労支援についてのご質問がございました。
 就職氷河期世代の方の中には、新卒時に、不本意ながら非正規で働くことを余儀なくされて、不安定な就労が続いている方、就労を希望しながらも、さまざまな要因によって職につけていない方など、将来に不安を抱える方が数多くおられます。
 このため、都は、しごとセンターにおきまして、氷河期世代の方が基本的な職務スキルを身につけて正規雇用を目指すプログラムを実施するなど、安定した就労に向けた支援を行っているところでございます。
 来年度は、これに加えまして、氷河期世代の方が派遣社員としてスキルを磨いて、派遣先企業で正規雇用として就職できますように支援をしてまいります。
 また、長期間就職できていない方が就職活動へ踏み出せるように、国や区市町村と連携して対応してまいります。
 これらの取り組みによりまして、氷河期世代の方の安定した就労を促進して、誰もが活躍できます東京の実現を目指してまいります。

〇中村:都は、私たちの求めに応じて、ようやく財政の長期推計を行いました。この推計を使って将来に対する見通しを持ち、毎年の予算の大枠はどうあるべきか、消費増税による景気の腰折れや新型コロナの影響なども出てきていますが、歳出を膨張させて本当によいのか、常に将来を考え、検証を続けていかなければなりません。
 その上で、堅実かつ機動的な財政運営を行うことが必要です。長期推計を長期ビジョンにどう生かしたのか、また、今後策定される長期戦略の実行に向け、長期推計をどのように活用していくのか、知事の見解を伺います。
 
〇小池知事:次に、財政収支の長期推計についてでございます。
 昨年末に公表いたしました長期推計でございますが、未来の東京戦略ビジョンで描く政策を実行するに当たりまして、財政面から考察するものであって、いわば現在の都財政の実力を明らかにしたものでございます。
 本推計におけます経済成長率の中位シナリオにおきましては、将来にわたって膨大な財政需要が控える中で、今後二十年程度は基金の活用により対応可能ではございますが、その後は、基金の活用に加え、そのほかの財政的対応が不可避となるなど、長期的に見た都財政は決して楽観はできない見通しとなっております。
 そのため、今後具体化されます長期戦略を着実に実行するためにも、この推計から得られました中長期的な都財政の見通しを踏まえまして、事業評価の取り組みをさらに深化させて、無駄の排除を徹底するとともに、都債と基金の活用を図るなど、計画的かつ戦略的な財政運営を行っていく必要がございます。
 その上で、未来への投資を行うことで、成長が財源を生み、さらなる政策へとつながる好循環を生み出していくことが重要でございます。
 これらの取り組みを推進していくことによりまして、二〇二〇年の先を見据えて、さらに強固で弾力的な財政基盤の構築へとつなげてまいります。

〇中村:次に、高齢者施策について伺います。
 まず、知事の選挙公約である介護離職ゼロの実現について伺います。
 介護離職をなくすためには、介護サービス基盤の充実に加えて、平日の手続や病院の付き添い、月一回のケアマネジャーの訪問など、頻繁に短時間の休みが必要で、長期にわたる特性に応じた施策の充実が必要です。
 法改正により、介護休業、休暇制度のある会社はふえたものの、九割はその制度を利用しておらず、依然として使い勝手、企業や働く人の負担という課題は解決されていません。都の調査でも、介護と仕事の両立は、八割の企業が重要な経営課題と認識しており、喫緊の課題です。
 介護有給への助成など、即効性の高い政策が必要と考えますが、知事の見解を伺います。
 
〇小池知事:次に、介護と仕事の両立についてのお尋ねでございます。
 人手不足が深刻化する中で、介護離職によって働き盛りの社員など経営の中核を担う貴重な人材を喪失することは、企業にとって大きな問題でございます。
 団塊の世代の方々が七十五歳を超える今後、介護と仕事の両立に直面する方はさらに増加していくものと予想されております。
 企業の持続的な成長を図る観点から、介護離職を防止するための職場環境の整備は極めて重要。
 このため、都は、介護休暇制度の充実などに取り組む中小企業等に対しまして奨励金を支給し、介護と仕事の両立に向けました職場環境づくりを支援しております。
 また、経営者向けのシンポジウムを開催して、介護離職防止に関する企業の先進的な取り組み事例の紹介なども行っております。
 今後も、これらの取り組みを通じまして、企業におけます介護離職を防止するための職場環境づくりを後押ししてまいります。

〇中村:次に、介護人材確保について伺います。
 東京都においては、介護人材の募集から就労、資格取得、宿舎借り上げや奨学金返済など、メニューは充実をしましたが、賃金は全産業より低いままで、人手不足は改善されず、ホームヘルパーの高齢化など、今後、介護の各分野で人手不足が深刻化するおそれも指摘をされています。
 このことは、介護される側だけではなく、施設経営者や介護現場で働く人の悩みでもあります。現場の人手不足は、サービスやモチベーションの低下、休みのとりづらさなど労働環境の悪化に直結をし、他産業と比べても突出をして高い離職率の背景ともいわれています。
 改めて、介護現場の人材確保、離職防止に向けたベンチマークの設定と、一番いいやり方の実践に必要な施策構築に、一層の取り組みを求めるものですが、知事の見解を伺います。
 
〇小池知事:同じく、介護に関しての人材対策でございます。
 今後、高齢化が進展をして介護ニーズの増大が見込まれる中で、サービスを担う人材の確保、定着、育成は大きな課題でございます。
 都は、第七期高齢者保健福祉計画におきまして、令和七年度の介護職員の不足数を約三万五千人と見込みました上で、介護人材対策の推進を重点分野の一つに位置づけて、さまざまな施策を展開いたしております。
 来年度でございますが、第八期計画を策定する予定でございまして、今年度実施をいたしました都内の介護人材を取り巻く状況や課題に関します調査に基づく地域ごとの特性や施策の効果の分析も踏まえながら、効果的な介護人材対策について検討してまいります。

〇中村:次に、シルバーパスについて伺います。
 二年度予算案には、多摩都市モノレールの延伸に向けた予算が計上されましたが、かつて多摩都市モノレールの開業時、地域のバス路線が廃止をされ、パスが利用できなくなったことがありました。都営地下鉄のない多摩地域では、多摩都市モノレールを含め、パス利用の対象路線拡大が強く求められています。
 また、東京都は、パスの利用者実態調査をことし二月に公表しています。
 そこで、私は、利用対象路線を拡大するとともに、調査結果を受け、新たに収入に応じた段階的な利用者負担額を設定するなど、早急にシルバーパスの改善に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 
〇内藤福祉保健局長:シルバーパス制度に関するご質問にお答えいたします。
 都が幅広い年代の都民とパスの利用者を対象に行ったシルバーパス制度に関する二つの調査では、制度に対する都民の考え方などや利用状況について概要を把握することができました。
 また、今回の調査への回答の背景にある高齢者を取り巻く環境や地域の状況などについて、さらに把握する必要があることも明らかになったところでございます。
 今後、区市町村における高齢者の社会参加促進のための取り組みや課題、将来の利用者となる世代の意識や意向などについて把握を進めてまいります。

〇中村:次に、知事の政治姿勢についてです。
 知事は施政方針において、私利を追わず公益を図ると渋沢栄一が語ったとされる言葉を引用しましたが、知事自身、本当に私利を追っていないといい切れるのでしょうか。
 この間、私たちは、東京都の予算編成権者であり、執行権者である小池知事が主催する政治資金パーティーを行った際、自粛すべきだと申し上げてきましたが、知事は私たちの提案を無視する形で、昨年十一月二十八日、各種団体からの予算要望ヒアリングの真っただ中の日程でパーティーを開催しました。
 私は、公金の私物化、公私混同という都民の疑念を招かないためにも、知事自身による政治資金パーティーの開催を自粛すべきと考えますが、見解を伺います。
 
〇小池知事:昨年十一月の昼食勉強会についてのご質問がございました。
 これは、ご支援をいただいている皆様に対しまして都政のご報告をさせていただいたものでございます。

〇中村:あわせて、パーティー券の購入団体のうち、予算要望ヒアリングを行った団体は何団体で、購入額はそれぞれ幾らなのか情報公開を求めますが、その見解を伺います。

〇小池知事:また、昼食勉強会の参加団体についてのご質問でございますが、こちらは法に基づいて政治資金収支報告書に掲載をいたしてまいります。

〇中村:次に、IR、いわゆるカジノの誘致について伺います。
 小池知事は、カジノに関して、メリット、デメリットの両面があり、総合的に検討していくと繰り返すばかりです。横浜市長のように、選挙後に突然態度を豹変するようなやり方は決して許されるものではなく、私は、東京都の知事としてカジノの誘致はしないと明言すべきと考えます。来年七月までとされる申請期限を控え、いつまでに明確にするのかも含め、知事の見解を伺います。
 
〇小池知事:IRについてのご質問でございます。
 IRは、日本の経済成長や国際競争力を高める観光拠点として期待をされる一方で、ギャンブル依存症等の懸念の声もあると認識をいたしております。
 都はこれまで、海外事例、都に立地した場合の影響、また、依存症対策などについて調査を実施しております。
 国は、IR整備法に基づいて、今後、基本方針を公表することといたしておりまして、都といたしましては、今後の国の動向を注視しながら、引き続き総合的に検討していく必要があると考えております。

〇中村:また、今回の国会議員の逮捕はカジノ関連企業からの贈収賄容疑だといわれていますが、小池知事自身、カジノ関連企業から献金やパーティー券の購入など、支援を受けたことはあるのか、カジノ関連企業との関係の有無などについて見解を伺います。
 
〇小池知事:企業との関係につきましては、私は都知事として、どのような相手ともしがらみのない建設的な関係を築きながら、東京大改革を推し進めているところでございます。

〇中村:最後に、平和について申し上げます。
 これまでも何度も申し上げてきましたが、平和の祭典であるオリンピック期間中、私たちは、七十五回目となる広島、長崎の原爆犠牲者慰霊の日を迎えます。
 昨年十一月、三十八年ぶりに来日したローマ教皇は、核兵器のない世界は可能であり、必要不可欠であると述べ、政治をつかさどる指導者に対して、核兵器は安全保障への脅威から私たちを守ってくれるものではないと心に刻んでくださいと語りました。
 今、イランの核合意問題や北朝鮮の核開発を含め、大国間の対抗意識や敵意の高まりなど、核を取り巻く環境は急速に増しています。このような状況下だからこそ、私たち一人一人が勇気を持って一歩踏み出し、核兵器の廃絶に向け声を上げ、行動していくことが極めて重要であると考えます。
 都として非核都市を宣言し、核兵器のない社会の実現に積極的に行動すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 以上で都議会立憲民主党・民主クラブを代表しての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

〇小池知事:非核都市宣言についてでございます。
 核廃絶に向けた取り組みは国の安全保障にかかわる問題でございまして、都として非核都市宣言を行う考えは持ち合わせておりません。
 核の脅威に対します都民、国民の不安を踏まえまして、国にしっかりと対応していただきたいと考えております。
 なお、その他のご質問につきましては、関係局長からのご答弁とさせていただきます。

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