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都議会質問記録

2019/06/17 公営企業委員会で水道局の子会社の遵法体制を質問

都議会公営企業委員会で所管の水道局から子会社の東京水道サービス株式会社のコンプライアンス強化に向けた取組について質疑を行いました。都民に命の源である水を届ける重要な事業ですが、近年、不祥事が続いているため、内部統制について議論しました。経営の透明性を高め、水道料金を払っている都民の皆様から信頼が得られるよう求めました。

以下に質問と答弁の概要を掲載します。

○中村委員 それでは、水道局グループのコンプライアンスについて質問します。
  初めに申し上げますが、水道局も東京水道サービスも、ほとんどの職員は都民のために真面目に働いていると思っています。もちろん問題を起こした職員の行為は許されるものではありませんが、不祥事が相次ぐ中で、水道局グループ全体の内部統制が適切にされていないことが何より問題といえます。
  都民にとって命の源である水を届ける、都として最も重要な事業の一つでもあり、だからこそ、局の責任者である局長が、そしてもちろん都知事が、これまで以上に真剣に改革に向けて取り組むことが必要であることを申し上げて質問に入ります。
  この水道局グループの相次ぐ不祥事に対して、さきの委員会の質疑の中で、都庁の内部による調査ではなく、外部の第三者により調査をするよう指摘をしました。その結果できた組織が東京水道グループコンプライアンス有識者委員会だと認識しています。
  そこで最初に、この委員会について質問します。
  設置要綱を見ると、設置目的について、談合疑いに関する再発防止策と東京水道グループ全体の事業経営を検証するためとあります。昨今の問題への対応のためだけの組織のように見えますが、継続的にコンプライアンスを所管すべき常設の組織にすべきと考えます。
  また、どのような権限を持つのか、独立性があるのかが重要です。要綱では、所管事項として、意見を述べることと助言を行うとありますが、せっかく提言をしても、対応するのは都であるとすれば、強制力がないと実施されないということにもなりかねません。
  みずからの判断で調査を行う独立性も必要です。そのために事務局として新たな組織をつくったということですが、人員と体制はどうなっているでしょうか。弁護士を課長に採用するとのことでしたが、常勤としての採用でしょうか。
  以上、さまざま述べましたが、まず、有識者委員会の運営について伺います。

○木村職員部長 東京水道グループコンプライアンス有識者委員会は、情報漏えい事故の直接的な要因のみならず、局事業の構造的な課題についても外部の視点から検証し、根本的な改善策を策定することを目的として設置したものでございます。
  有識者委員会が自律性や主体性を確保した上で検証を行い、東京水道グループのコンプライアンス等について助言や提言を行うため、委員の指示に基づき、局は委員会での検討に資する素材提供や調査を行うほか、必要に応じて外部機関による調査実施も想定しております。
  東京水道グループのコンプライアンス等につきましては、都民の信頼回復を図るため、有識者委員会で速やかに検証し、提言をいただきます。一方、構造的な課題の抜本的な対策を構築するためには、本委員会で十分な議論が必要であり、委員の任期は二年間としているものでございます。
  また、本年四月に新たに設置したコンプライアンス専管組織は、公募で採用した法曹資格を有する常勤の課長級職員のもと、客観性を確保しながら、七名体制で有識者委員会の事務局機能等を担っており、その法的知識や経験を活用し、水道局のコンプライアンス強化に向けた取り組みを推進してまいります。

○中村委員 都民の信頼回復を図るため、有識者委員会で速やかに検証し、提言をいただくとの答弁でした。
  しかし、ことし二月の総務局の特別監察の結果報告書の冒頭には、時間的制約などがあったことから、その対象を限定して調査を行ったと記載がありました。目安箱に投書された四つの不適正事案と内部統制体制に限定して調査をしたとのことです。
  都民の信頼回復を図るためには、調査して明らかになった問題への速やかな対応は当然必要ですが、同時に、まだ調査をしていない分野があるのであれば、調査をすることも必要です。この機に改めて全面的な調査をすべきであり、それは、同じ都庁の身内である総務局ではなく、この第三者委員会が調査すべきと考えますが、見解を伺います。

○木村職員部長 総務局が行った特別監察におきましては、個別事案に関する調査や内部統制システム等に対する事実関係の確認や背景の分析が十分に行われていると考えております。
  現在は、こうした調査結果を有識者委員会に諮り、東京水道サービス株式会社におけるコンプライアンスのあり方や同社に対する局のガバナンス等について、有識者委員会の方から、さらなる助言や提言をいただいているところでございます。
  当局としましては、これらに対応して、再発防止策の検証や内部統制機構の構築等に全力を挙げていくことが最も重要だと考えております。

○中村委員 いろんな問題が起きないように、内部統制システムを早くつくり上げることは大事だとは思っていますが、こちらの委員会は常設の委員会ということになると思いますから、その他の問題についても、決して起こらないように組織内に目を光らせていただければと思います。
  さて、さきの公営企業委員会では、有識者委員会の開催状況について資料を提出いただきました。この初回の五月十三日の委員会では水道局グループについて、公営企業委員会には東京水道サービスの特別監察についてだけ報告を受けましたが、議事の概要を見ると、水道局の談合の問題も議論されています。特に談合問題は、内部での調査結果を含めて第三者の委員会で検証するとのことでしたが、状況はどうなっているんでしょうか。
  特に、これまで水道局からは、都の職員一人の情報漏えいと聞いていましたが、新聞報道では複数名の職員がかかわっているとの記事があり、大変驚きました。そうなると個人的な犯罪ではなく、場合によっては組織的な犯罪になり、状況が全く違うことにもなります。まだ公正取引委員会が調査中とのことで、詳細はわからないとのことですが、もし報道のとおりなら、やはりこれまでの内部の調査では甘かったのではないでしょうか。
  今後、この有識者委員会ではどのように調べていくのか伺います。

○木村職員部長 本件につきましては、現在も公正取引委員会による調査が継続中であり、現時点で、公正取引委員会からは具体的な調査の内容は聞いておりません。
  二月の公営企業委員会でも報告いたしましたが、現在、都においては、中間報告で掲げた再発防止策について既に取り組むとともに、引き続き内部調査を行っており、把握したさまざまな情報につきましては、全て公正取引委員会に提供し、全面的な協力を行っております。
  公正取引委員会による調査の完了を待って、都としても速やかに対応し、都議会に報告させていただきたいと考えております。

○中村委員 談合の問題については、まだ調査中とのことですが、既に有識者委員会でも議論しているのであれば、その内容についても、今後適宜報告をしていただきたいと思います。
  さて、改めて有識者委員会の運営について伺います。
  資料では年五回程度の開催予定とあります。通常はそれでいいんですが、今まさに特別監察で大問題になっているときです。
  改善を八月中に取りまとめるということですが、実際に実行して改善が定着するまで時間もかかります。都民の信頼回復というのであれば、それでは遅いのではないでしょうか。早急に会議をして対応すべきですが、所見を伺います。

○木村職員部長 東京水道サービス株式会社に対する特別監察で指摘された事案につきましては、当局として直ちに有識者委員会での検証などを通じて、ガバナンス及びコンプライアンスの強化に向けた抜本的な対策を講じることが必要であります。
  また、水道事業の経営基盤強化を図る上でも、政策連携団体二社の統合に合わせて、東京水道グループの組織構造改革を早急に実施することが不可欠であります。
  このため、有識者委員会は、年に五回程度の開催を予定しておりますが、そのうち三回を七月までに開催し、東京水道グループの組織構造改革について集中的に検証を行ってまいります。

○中村委員 なかなか時間がない中だと思うんですけれども、この東京水道サービスの方の問題もありますし、これから恐らくPUCの方も特別監察等もあると思います。何かあるかどうかということはわかりませんけれども、それぞれしっかりとコンプライアンスを検討していただいて、そしてまた統合ということになるわけでしょうから、時間がない中ですが、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
  さきの公営企業委員会に提出をされた資料についてなんですが、これはどこが作成をしたものなのでしょうか。有識者委員会での話し合いの内容そのものではなくて、委員会の意見を受けて水道局がつくったものということのようです。
  しかし、有識者の話し合いの中身を全部公開しないと、その中で、都はやりやすいところだけやっているということになりかねません。個人情報や企業秘密にかかわる際は、そのときだけ非公開にすればよく、原則議事録を公開しないと、せっかく第三者の委員が議論しても、都合が悪いと採用されないおそれもあります。
  会議は原則非公開とありますが、原則公開にすべきではないでしょうか。議事概要の公開とありますが、議事録の公開をすべきだと考えますが、見解を伺います。

○木村職員部長 有識者委員会は、個人情報や契約情報等の機密情報を扱うという性格とともに、委員の自由な議論を確保する必要から、会議及び議事録は非公開としております。
  一方、水道事業に対する都民の信頼を回復していくためには、本委員会における検証の過程を可能な限り公表していくことが重要であり、第一回委員会における委員の主な発言内容をまとめた議事概要を、会議終了後、委員の了承を得て速やかに公表いたしました。
  なお、検証結果や改善に向けた助言や提言を取りまとめた委員会の報告書を、年内を目途に公表する予定でございます。

○中村委員 委員会が取りまとめる報告書については、当然公開されると思います。そして、その報告を受けて、都は対応について取りまとめて公開すると思いますが、基本的には指摘事項は改善されるのでしょうが、仮にそこに差異が生じるのであれば、その理由を説明することは必要になります。ぜひ、信頼を得るためには、できるだけ公開して行っていただくことを求めます。
  次に、水道局と東京水道サービスとの関係について伺います。
  水道局から東京水道サービスに発注しても、そのまま民間会社に再発注するものも多くあります。そうすると、東京水道サービスに委託する意味は何でしょうか。水道局が発注する仕事について、東京水道サービスが右から左に流すことで何の付加価値がつくのでしょうか。
  水道局が行うと、公開された入札手続や情報の公開、交際費についてなども厳しい基準があるのですが、それだとやりにくいから、一旦民間会社の東京水道サービスに出して再委託するというだけでしたら、都民にとって不利益にしかなりません。
  再発注することに合理的な理由があるのならば、株式会社とはいえ、水道局グループとして公の責任があるのですから、入札方式や情報公開も交際費の使用も都と同様にすべきと考えますが、見解を伺います。

○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社ではこれまで、当局から受託した業務の一部について、再委託をした方が効率的な業務については再委託を活用し、当局もそれを認めてきた経緯があります。
  しかし、同社が受託する管路診断業務については、契約の透明性や公平性を確保する観点から、再委託による履行に課題があると認識をしまして、昨年度の契約から、現場作業を当局からの直接発注に順次切りかえているところでございます。
  また、土木系協力会社を対象とした再委託につきましては、これまでの業者登録制度を廃止し、新規参入を募る競争性を確保した契約制度への見直しということで今年度から実施をしております。
  さらに、契約情報等の情報公開を行うとともに、交際費の使用に関する上限金額を設定し、厳格に運用するなど、同社においては都に準ずる取り扱いを意識して事業を運営しているところでございます。

○中村委員 ぜひ、透明性をより一層高めた運用をしていただき、疑念を抱かれることがないようにしていただきたいと思います。
  また、協力会社からの出向の受け入れは必要なのでしょうか。出向社員の配置基準や人員を見直すというのですが、どのようになるのでしょうか。
  一方、協力会社となれ合いにならないためにも、水道局も東京水道サービスも技術力を持つことが重要です。出向を受け入れずとも、業者からのいいなりにならないくらいの知識を持つべきではないでしょうか。それにより業者とのつき合いも一線を引く、緊張感のある関係をつくる必要があると考えますが、見解を伺います。

○石井経営改革推進担当部長 これまで東京水道サービス株式会社では、受託業務が拡大する中での弾力的なマンパワー確保のため、豊富な実務経験と高い技術力を持ち、水道に精通した協力会社の社員を主として現場業務に受け入れてきました。
  しかし、特別監察により、改めて協力会社との関係を見直していく必要性を認識し、その一環として出向社員の受け入れについては計画的に見直しをしてまいります。
  見直しに当たりましては、出向社員にかわる社員の確保とともに、必要な技術や知識の習得など育成期間が必要となることから、社員の採用や研修、育成等を考慮した出向社員の見直し計画を早期に策定してまいります。

○中村委員 次に、内部統制について伺います。
  今回、東京水道サービスは、知事の元秘書が社長になるという前代未聞の人事になりました。もとより私は、いわゆる天下りをよしとはしていませんでしたので、今回の人事も、知事は天下りではなく適材適所だというだけで十分な説明がなく問題があると思います。
  後で触れますが、一連の問題の原因には、プロパー社員が出世できず、水道局の現職、退職者が役員や管理職を占める状況がモラルダウンになっていることがあると思います。改革の名のもとに新たな天下りによる、より一層のモラルダウンが懸念をされます。
  ただ、社長の人事は議会の議決事項ではないので、それであれば、内部統制の強化、経営の監視体制の強化、経営の透明化を仕組みとして整備することを求めます。
  そこでまず、内部統制の仕組みの整備として、監査体制の強化が挙げられます。株式会社の監査は、株主に損害を与えないため監視するものですが、株主の過半数は都であり、その都の事実上の株主ともいえる都民のために監査体制を強化することは重要です。
  今回、監査等委員会設置会社に移行するとのことですが、そうなると、社外取締役が必要となります。この社外が都水道局出身者では、本当の意味での社外取締役とはいえません。どういう人材を迎えるのでしょうか。
  また、監査等委員会設置会社ではなく、よりチェック機能が強いといわれる指名委員会等設置会社にする考え方はなかったのでしょうか。監査体制の強化についてお伺いします。

○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社と株式会社PUCとの統合による新団体では、会社法に定める監査等委員会設置会社へ移行することを予定しております。この監査等委員会の委員の過半数は、同社と利害関係のない社外取締役である必要があり、現在、監査等委員にふさわしい専門性を有する人材の人選方法や代表取締役を含めた役員体制の全体像について検討しているところでございます。
  なお、監査等委員会は、監査等委員の一人一人が取締役会の議決権を有するなど、現在の監査役より広い権限を有することから、コンプライアンスの充実を図ることが可能となります。
  このような観点から、新団体へは、監査等委員会という形態の導入を計画しているところでございます。

○中村委員 そういう意味では、今回この監査等委員に誰を選ぶかというのは大変重要な話になってくると思いますので、外部から本当にふさわしい人をしっかり選んでいただいて、経営体制の透明化を図っていただきたいと思います。
  さて、先ほども述べましたが、事件が起こる背景には、職員のモラルダウンがあるのではないでしょうか。もちろん人事や賞罰など原因はさまざまあるのでしょうが、最も重要なのは水道局グループの一員という高い公共性と使命感で、都民の命の源である安全な水を供給しているという認識ではないかと思います。これをしっかり研修等で伝えるべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○木村職員部長 水道事業という極めて公共性の高い事業におきまして、将来にわたり安全でおいしい高品質な水を安定して供給していくためには、政策連携団体の社員を含めた東京水道グループの一人一人が高い使命感を持ち、士気を保っていくことが極めて重要と認識しております。
  そのため、本年一月には当局の全ての管理職を、五月には東京水道サービス株式会社の課長級以上の社員を集めた研修を実施し、グループ一丸となってコンプライアンス強化に取り組みました。
  さらに、今後は、局職員及び団体社員を対象として、グループにおけるコンプライアンスや東京水道の将来像等について共通認識を持たせるため、局長を初めとした局の幹部職員が直接講義する研修を新たに実施いたします。
  こうした取り組みにより、東京水道グループの一員としての自覚を醸成してまいります。

○中村委員 東京水道サービスについては、水道局の退職職員、いわゆる天下りや現職も含めた水道局職員だけが役員、管理職などの重要ポストを占めていますが、そうなるとプロパーの社員のやる気がなくなってしまいます。頑張っても課長までしかなれないと初めから線を引かれてしまえば意欲は喪失します。
  プロパーの社員が早期に昇任できる制度だけではなくて、能力主義にすることで、プロパーの社員も管理職や役員になれることを示せば、モチベーションも上がると考えますが、所見を伺います。

○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、固有社員に占める課長職以上の割合は約一%と低く、固有社員の自立心を養う上で課題と認識しております。
  同社の昇任選考は、能力主義によることを前提としておりますが、選考の要件となる在職年数が長いことから、有資格者が少数にとどまっているという現状がございます。このため、課長職の選考につきましては、必要在職年数を短縮するとともに、社員の業績評価を重視して、より短い在職年数でも選考対象とすることができる制度を構築し、今年度の選考から適用していく予定でございます。
  こうした取り組みにより、努力し、成果を上げた社員、これに報いるというところに主眼を置きまして、社員のモチベーションの向上を一層図っていきたいというふうに考えております。

○中村委員 昇任制度も大事ですが、信賞必罰も重要です。
  今回の問題で引き起こした事案に対してなされた処分は適切だったのでしょうか。これは会社そのものに対してもいえますが、東京水道サービスの都への依存が強過ぎ、こうした問題があっても指名停止にならない、会社が潰れることはないという甘えはなかったのでしょうか。
  問題を起こせば個人としても処分されるし、また、それは個人の起こした問題行動であっても、会社そのものも大きな損害、場合によっては倒産ということにつながることもあります。だからこそ、管理職も管理監督する責任は重いといえます。
  社員への処分や管理職の責任をどう考えるのか、見解を伺います。

○岡安総務部長 東京水道サービス株式会社は、東京水道グループの一員として、都の水道事業における基幹的業務を当局とともに担っておりまして、安定給水を確保するために必要不可欠なパートナーでございます。しかし、不適正処理事案の発生により、同社、そして東京水道グループ全体として、お客様からの信頼を大きく損なっている状況にございます。
  そのため、同社はコンプライアンスの確立に向け、抜本的な対策を速やかに講じる必要があることから、有識者委員会の提言を踏まえながら、当局が責任を持って、東京水道グループ全体のコンプライアンス強化に取り組んでまいります。

○中村委員 先ほど管理職の責任として述べましたが、その最も重い責任を担うのは取締役です。
  さきの委員会の質疑では、今回の問題に関する取締役の処分については、役員業績評価制度の中で適切に対応していくとのことでした。取締役の監督責任は一義的には株主総会において追及されるべきものではありますが、今回のような不適正処理事案に対しては、水道局はまさに株主でもあり、何らかの形で直ちに監督責任を追及すべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○岡安総務部長 東京都政策連携団体におけます取締役の評価は、経営目標評価等に基づく役員業績評価により、役員報酬等の処遇に反映される仕組みとなってございます。今回の不適正処理事案の発生による取締役の経営責任は、この制度により評価されます。
  また、その責任の一環としまして、東京水道サービス株式会社の経営陣は、現在一丸となって不適正処理事案の再発防止に努めるとともに、内部統制の強化に努めているところでございます。
  当局としましても、こうした取り組みについて責任を持って最大限の支援をしております。

○中村委員 取締役ということで、ここにも兼務している方がいるのですが、単に人事上の役割で子会社の役員についているという認識であっては困るので、あえて厳しいことをいっています。
  株式会社の取締役になる以上は、水道局に対してだけではなく、第三者に損害を与えれば経営者としての責任も問われます。また、業務執行権のない取締役の役割は、代表取締役の業務に対するチェック機能が重要な仕事です。
  もとより天下りが問題なのは、今までであれば、元局長である社長に対して後輩の現職職員が監督できるのかということがあったわけですが、今回はさらに、知事の側近が社長になるという異例の人事で、これを水道局がしっかり監督できるのかというところがあります。
  先ほどの質疑でも、水メジャーを目指すと発言をしているんですが、局長は、そういったことを聞いていないということのようでした。これまで以上に緊張感を持って、都民のために、いいことはいい、悪いことは悪いとしっかりと認識していただき、経営の監視をすることを求めます。
  とはいえ、東京水道サービスの役員だけの責任では当然ありません。最高責任者は知事であり、そのもとで水道局グループのトップは局長です。グループのリーダーである水道局長が、責任を持って東京水道グループ全体のコンプライアンス強化を進めるべきと考えますが、局長の見解を伺います。

○中嶋水道局長 東京水道グループとして将来にわたり安定給水を継続していくためには、今回の特別監察で指摘されました東京水道サービス株式会社のコンプライアンス強化はもとより、東京水道グループ全体のガバナンスを強化し、一体的な事業運営体制を構築していくことが、これは不可欠でございます。
  また、水道事業は、お客様の水道料金によって事業が成り立っておりますことから、お客様の信頼を得られるよう、職員一人一人が高いコンプライアンス意識を常に保持していることが何よりも重要でございます。
  今後、東京水道グループ全体の構造的な課題の分析や抜本的な改善策につきまして、有識者委員会で検証し、必要な提言をいただいてまいります。この提言をもとに、グループのリーダーである私が先頭に立ちまして、ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底に取り組み、お客様から真に信頼される東京水道グループを実現するとともに、安定的かつ持続可能な事業運営に努めてまいります。

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