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都議会質問都民の声を都政に届ける

都議会の予算特別委員会の委員で質問しました

2010年3月15日、東京都議会 予算特別委員会において都知事に対して議案について質問を行いました。以下に全文を掲載します。

1.築地市場移転について


〇中村委員 それでは、初めに築地市場について質問します。来年度予算で大きな争点になっているのは、豊洲の土地の購入費用の1,260億円ですので、12日の予算特別委員会でも、民主党の斉藤議員、山口議員から経緯について詳細に質問をさせていただきました。それを受けて、きょうも築地市場に関して質問をさせていただきます。
 まず、移転についての前に、現在の築地市場の安全という点について、市場関係者の安全について質問します。このところの議論で、震度2で崩れたから時間がない、危ないといいますが、それは移転の議論とは全く別の話です。仮にも東京都は市場を開き、そこに多くの人を集めているのですから、安全な施設の提供をするのは設置者の義務ではないでしょうか。
 東京都首脳部会議で現在地再整備を決定したのは、昭和61年1月です。既にこれ以前から、築地市場の老朽化、狭隘化は問題となっていました。その後、阪神・淡路大震災が起こったのは平成7年1月17日ですが、今日まで東京都は築地市場の耐震対策にどのように取り組んできたのでしょうか、お伺いします。

〇岡田中央卸売市場長 築地市場の施設は老朽したものが多いことから、震災対策に全力で取り組んでまいりました。耐震基準を満たしていない施設は、既にご説明したとおり10棟ございましたが、このうち4棟につきましては耐震基準を満たす工事を実施し、残りの6棟につきましては、耐震基準を現在満たしておりません。
 6棟のうち3棟につきましては、筋交いを設置する耐震改修案を市場業者に提案いたしましたが、卸売り場が分断され、業務に大きな支障が出ることや、部屋の使い勝手が大幅に悪くなることなどの理由で必要な数を設置することができず、いわゆる耐震の数値でありますIs値を0.6まで上げることができませんでした。
 残りの3棟でございますけれども、この3棟につきましては、建物の構造を変えるほど大幅な補修が必要であったために、耐震改修工事を実施できていません。具体的には、仮店舗に移転する長期間の工事となってしまうこと、トラックの通路を閉鎖してしまうこと、マグロの競り場を分断せざるを得ないことなどであります。
 なお、耐震改修工事が現在できていない水産物部仲卸業者売り場旧店舗につきましては、震災時の人的被害を少しでも少なくするため、補強工事に現在取り組んでおりますが、引き続き業界調整に努めてまいります。

〇中村委員 移転問題よりも急を要する課題ですので、ぜひ業界の調整を進めてもらいたいと思います。コンクリート片が落ちたといいますが、耐震化とまではいかなくても、最低限の点検と補修を怠っているのではないでしょうか。都は平成11年に現在地再整備を断念していますが、仮に民主党が異を唱えなくても、豊洲に新市場を移転させるには平成26年ということですので、それまでは現在地にいることになります。東京では震度2程度の地震は頻繁に起こり、それで崩れるような状態だというなら、市場関係者を危険にさらしているのは施設の管理者である東京都の責任です。いずれ移転するからというレベルではありません。現在の築地市場についての安全対策をどのように考えているのか、伺います。

〇岡田中央卸売市場長 築地市場では、第八次東京都卸売市場整備計画に基づきまして、豊洲移転までの間、中核的な基幹市場として機能を維持するよう、環境衛生対策の推進とあわせまして、老朽化対策を実施してまいりました。施設整備では、耐震補強や電気設備の改修など、過去5年間の平均で毎年7件、金額で申し上げますと2億円程度実施しております。また、建物の柱、床等の補修や給排水配管などの修繕も、過去5年間の平均で毎年約200件、2億3千万円程度を実施し、市場施設の機能維持に努めておるところでございます。これらの金額は、中央卸売市場全体の施設整備及び修繕費のそれぞれ25%と36%に相当いたします。
 施設や設備のメンテナンスを怠り、一たび事故を起こせば、市場業務に多大な影響を与えてしまうために、これまでも維持管理や改修を適切に行ってきておりますが、施設や設備の多くは耐用年数に達し、これまでの部分的な改修工事による老朽化対策では限界に来ております。

〇中村委員 早く移転の議論を決めたいがために、殊さらに今の危険性を強調しますが、そのことは、今働いている方々に大きな不安を与えています。早急な対応を要望して、次の質問に移りたいと思います。
 次の質問は、平成9年10月に中央卸売市場によって作成された、築地市場の現在地での再整備についてというペーパーについて、幾つかの質問をさせていただきます。
 事前に担当の方を通じてお示しをいたしましたが、内容の要点としては、当時、東京都の方針が現在地再整備だったにもかかわらず、とんざをし、移転をという声が上がっていた時期に当たり、現在とは全く逆に、現在地再整備がいかにすばらしく、豊洲への移転が問題であるかという懸念について述べられた文書です。この文書は、当時を知る方から存在を聞いていますが、まず初めに、この文書について承知をしているのか、伺います。

〇岡田中央卸売市場長 貴党から提示を受けました、築地市場の現在地での再整備についてというペーパーについてでございますが、私どもで調べましたけれども、過去の卸売審議会ですとか業界との協議会等において、都として配布した事実はありません。当該文書は、だれが何の目的で作成したものなのか不明でございまして、都では、この内容については承知しておりません。
 なお、お話の平成9年度当時でございますが、中央卸売市場では、平成8年に再整備工事が中断したことを踏まえまして、新たな再整備計画の策定に向けて検討を行っておりましたけれども、平成13年度、第七次東京都卸売市場整備計画におきまして、豊洲への移転を決定いたしたところでございます。

〇中村委員 審議会や協議会などの正式な場所での配布はしていないとのことでした。ただ、市場関係者は、まだこうした文書を保存している方がいます。公印を押した文書ではありませんので、発行された当時でさえも正式な文書として認めていない種類のものかもしれません。ただ、ここで文書の存在についてこれ以上議論しても平行線のようですので、ただ、ここに書かれた内容は現在にも通じることがありますので、私の考えとして、内容について質問するので、お答え願います。
 初めに、築地の敷地面積についてです。これに関しては、次のような分析がされています。現在の築地市場の敷地面積は23ヘクタールであり、全国でも、大田市場38ヘクタール、広島中央市場24ヘクタールに次ぐ面積を有している。しかも、場外市場の約10ヘクタールを広い意味での市場機能という観点から加えれば33ヘクタールとなり、大田市場に匹敵する敷地面積を持っているとあります。築地市場を場外と一体としてとらえるのであれば、23ヘクタール以上の敷地があると考えられるのではないでしょうか。場内と場外との一体性についてどう考えているのか、伺います。

〇岡田中央卸売市場長 いわゆる築地場外市場でございますが、これは築地市場の外側に展開している商業地でございまして、都の敷地ではなく、多くの民間地権者の土地の上に存在してございます。その権利関係は多様で、都有地であります築地市場と一体の敷地としてとらえることは現実的ではないと考えます。なお、築地市場の外側に展開しております商業地のどこまでを場外市場として位置づけるかは明確ではございませんが、一般的に場外市場として認識されておりますエリアは約4ヘクタール程度にすぎず、そのエリアを10ヘクタールまで広げて築地市場と一体となった場外市場ということにも無理があると考えます。

〇中村委員 面積の多少はあるとは思いますけれども、民間地権者の土地にあるから一体ではないという方が現実的ではないのではないでしょうか。次いで、築地の立地上の利点についての記述を紹介します。
 現在の築地市場の場所は、都区部の中心に位置し、消費者に近接して、搬出に便利なところで、搬入にも便利なところである。また、JR、地下鉄など公共交通機関が発達しており、4万2千人の買い出し人、1万7千人にも上る市場勤務者にとっても極めて便利なところであるとあります。現在では、さらに大江戸線も開通しました。また、豊洲地区への公共交通機関としては、バスを除けば、定員が352名の「ゆりかもめ」の延伸計画があるのみです。現在の築地市場では、自動車以外の買い出し人、市場勤務者など4万人近くに上っており、豊洲地区でその足を確保することは難しく、豊洲地区への公共交通機関の不足は深刻であるとしています。現在でも、交通機関は「ゆりかもめ」しかなく、公共交通機関の不足は深刻ではないかと考えますが、見解を伺います。

〇岡田中央卸売市場長 豊洲新市場は、晴海通り、環状二号線などにより都心、臨海副都心に直結するという立地特性から、市場への搬入搬出や通勤につきましては、車によるアクセスを中心とした計画となってございます。このため、駐車場の計画におきましては、現在の築地市場における場内、場外を含めた駐車状況を把握した上で、ピーク時の交通量にも十分対応できる待機駐車場、通勤駐車場を確保しております。また、車以外の手段で出入りする買い出し人ですとか通勤者などにつきましては、ピーク時の「ゆりかもめ」の乗車率に余裕があると見込まれておりまして、公共交通機関による足は十分確保されるものと考えております。

〇中村委員 築地と比べて交通利便性が低下するということは明らかですし、千客万来施設に訪れる人の足も考慮すべきだと思います。次に、豊洲の立地についての記載です。
 豊洲地区は消費地に遠く、運搬に伴う時間、労力のロスは大きくなろう。買い出し人の多くは、都心部から橋を渡って来場し、またもと来た道を戻らなければならない。消費地から離れ、道路も混雑するとなれば、買い出し人の数は減少し、市場の活気は衰え、都民との距離は遠くなるとあります。
 豊洲が消費地から遠いという条件は、消費地が近づいてこない限り、豊洲においては普遍です。ならば、消費地から離れ、道路も混雑するとなれば、買い出し人の数は減少し、市場の活気は衰え、都民との距離は遠くなるという中央卸売市場の当時の結論は、豊洲の宿命です。豊洲計画は、その宿命をあえて引き受けるということでしょうか。お伺いいたします。

〇岡田中央卸売市場長 現在の築地市場は、老朽化が深刻なことに加えまして、敷地が狭隘で、買い出し人の駐車場が不足し、場内に入り切れない車両が、やむなく路上で荷の仕分けですとか荷積みを行っている状況にございます。一方、豊洲新市場では、十分な荷さばきスペースや駐車場の確保、高度な品質、衛生管理の実現など、顧客ニーズに対応する施設整備によりまして、市場機能を強化し、新たな基幹市場として発展していくことができると考えてございます。
 かつて都心部にございました青果の神田市場が、狭隘化を解消するために、平成元年に大井に移転いたしました。現在20年がたっているわけでございますが、我が国最大の取扱量を誇る大田市場として発展を遂げておりまして、多数の買い出し人による活況を呈しております。また、小中学校を初めとして、市場見学者の数も全市場で最も多く、都民の関心も高くなってございます。したがいまして、消費地からの距離だけをもって、買い出し人の減少、市場の活気の衰え、都民との距離が遠くなるとするご指摘は当たらないものと考えてございます。

〇中村委員 今のお答えでしたら、以前、例えば都知事が外環沿いでもよかったと述べていたように、豊洲以外の場所でもよかったのではないでしょうか。お店を出すのに、立地を考えないような商売はないと思います。
 次に、この文書の最後は次のような主張で締めくくられています。豊洲地区へ、現在地より広い敷地を得て移転すれば、現在の営業に煩わされず自由に市場デザインが描け、その魅力は大きい。さらに、市場の財源面から、現在の敷地を売却すれば、より広い新市場の用地費を捻出できるという意見もある。しかし、上記のごとくいろいろな問題があり、特に、数万人にも上る人と車が3本の橋を渡り、また戻ってくる労力と経費は膨大なものとなる。また、1本の建設費が2千億円以上といわれる臨海との連絡道路が、市場があるため途中で混雑すれば、その投資効果は大幅に減殺されることになる。以上のことを総合的に判断し、現在地での再整備が好ましいといえるともしています。
 ここでいわれていることは、至極当然のことです。数万人にも上る人と車が都心の消費地から豊洲へと行き来する労力、コストは業者の負担なのです。これまで、さまざまな視点から豊洲への移転の問題について指摘しました。最後にもう一度、市場長に伺いますが、いま一度勇気を持って現在地を考えることは、再びあなた方に対する市場関係者の信頼を取り戻す最後のチャンスだと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。

〇岡田中央卸売市場長 現在地再整備につきましては、平成3年から約4百億円を投じまして工事を推進してまいりましたけれども、市場業者の経営に深刻な影響を及ぼすことなどから、業界調整が難航いたしまして、平成八年に工事が中断いたしました。その後、関係者間でさまざまな案を検討し、議論を尽くしましたけれども、再整備は実現困難との結論に至りまして、業界の大多数は、最終的に豊洲への移転に合意したわけでございます。
 現在、築地市場の業界の大多数が、新市場建設推進協議会を結成いたしまして、新市場の早期実現に向け、積極的に取り組んでございます。本年2月には、豊洲新市場建設の一日も早い実現を強く望むとする声明が都議会に提出されておるところでございます。このような業界の大多数の悲願にこたえまして、万全な土壌汚染対策を講じ、一刻も早く新市場整備を進めることが業界の信頼を得ることにつながると考えてございます。

〇中村委員 こうした無理を重ねなければならない豊洲移転こそ、今、改めて立ちどまって考え直すべきです。今が立ちどまる最後のチャンスなのです。石原都知事が強引な姿勢を貫くのであれば、私たちは豊洲関連予算については反対せざるを得ないということを申し上げておきます。
 改めて、石原都知事の英断で、豊洲に有害物質が出て以降行っていない、すべての市場関係者に賛成か反対かを調査すべきです。加えて、主権者であり、消費者である都民の意向もしっかりと調査をすることを求めます。その上で、民間からの案などにも謙虚に耳を傾け、より最善の方法を目指していくのが、残り1年の任期の間になすべきことだと思います。そのことを述べて、次の質問に移ります。


2 高齢者の住宅と介護について

〇中村委員 次に、高齢者の住宅と介護について質問します。高齢社会が進展する中、高齢になっても、いつまでも地域で住み続けられることが求められます。高齢になると、収入はふえる見込みはなく、民間への入居も厳しくなることから、今後ますます住居政策は重要になります。そこで、都営住宅の高齢者への対応について伺います。
 都営住宅は、住宅に困窮する低所得者に低廉な家賃で賃貸する住宅ですが、実際には高齢者住宅になっているのが現状です。地域的に偏りはあるとは思いますが、総戸数26万戸のうち、名義人が65歳以上の世帯はどれくらいいるのでしょうか。また、そのうち単身の高齢者世帯はどれくらいでしょうか。お答えをお願いします。

〇河島都市整備局長 都営住宅では、平成20年度末現在で、名義人が65歳以上の世帯が約14万世帯、そのうち単身の高齢者世帯は約6万世帯でございます。

〇中村委員 やはり数値を見ても、多くの割合を高齢者世帯が占めています。また、単身高齢者も多くいますが、あくまでこれは入居者数にすぎず、希望しながら入居できていない方々を含めれば、ニーズはかなり高いといえます。最近の抽せん方式による募集では、昨年11月の世帯向け募集で34.5倍、昨年8月の単身者向けの募集では58.7倍とかなり高く、これは全体を含めた倍率とはいえ、なかなか入れないという状況は数字から読み取れます。このような実態を踏まえて、東京都は都営住宅への高齢者の入居についてどのような取り組みを行っているのか、お伺いします。

〇河島都市整備局長 都営住宅では、抽せん方式による世帯向け空き家募集を毎年5月と11月に、住宅困窮度の点数が高い世帯から入居を認めるポイント方式の募集を2月と8月に行っております。高齢者世帯につきましては、特に居住の安定に配慮することが必要であることから、世帯向け空き家募集におきまして、当せん率を一般世帯より7倍高くするとともに、ポイント方式の募集にも応募できる措置を講じております。さらに、都営住宅では、同居親族がいることを入居条件としておりますが、高齢者については単身者向けの募集も行っております。これらの取り組みにより、住宅に困窮する高齢者の居住の安定の確保を図ってまいります。

〇中村委員 東京都がさまざまな施策を行っていることはわかりました。ただ、年金生活者にとっては、家賃が家計の多くを占めるので、入居できるかどうかの差が大きく、場合によっては、生活保護になるかどうかも分かれてしまいます。何とか生活保護を受けずにいようと頑張っている方にとっては、まだまだ厳しい状況だと思います。
 また、単身の高齢者の希望者がふえているのと同時に、入居中に単身になる方も多く、現状の都営住宅の実態と要望が合っていません。必ずしも質を下げることはよくありませんが、限られた資源の中で、多くの方の住宅が住めるよう間取りの見直しも必要です。また、老朽化した都営住宅の建てかえにあわせ、地元区市の要望に応じて高齢住宅の併設などを進めるやり方もあるかと思います。
 若年層や障害者の対応も当然重要であり、また、コミュニティバランスの問題も考慮する必要があります。とはいえ、深刻な高齢者の住宅問題を踏まえた都営住宅の供給は大変重要です。こうした取り組みを含めて、今後どのように進めていくのか、見解を伺います。

〇河島都市整備局長 都営住宅では、高齢化の進展などに対応いたしまして、既存の住宅においてスーパーリフォーム事業を実施し、間取りの変更や設備、内装の更新により住宅の内部を抜本的に改善し、室内の段差解消などを図っております。また、老朽化した住宅の建てかえにより、世帯構成に応じた適切な規模と間取りのバリアフリー化された住宅を供給しております。さらに、建てかえに当たりましては、地元区市と連携し、高齢者向けの住宅であるシルバーピアの整備も行っているところでございます。今後とも、これらの取り組みにより、高齢者が住みやすい住宅の供給に努めてまいります。

〇中村委員 さまざまな政策をお答えいただきましたが、この中にあったシルバーピアのように、住宅と福祉が融合した政策は大変重要だと思いますし、一層促進されることを望みます。ただ、現在の制度では、財政的な課題などから地元区市が手を挙げるのが難しいという課題があることは問題提起しておきますし、また、シルバーピア事業は拡大してほしいという立場から述べますが、入居するときは自立していても、年数がたつと要介護状態になり、実態的には特別養護老人ホームなどの施設の入居待ちの方が入居しているという状況があり、介護施設など他の施策の拡充が求められます。
 さて、都営住宅を高齢者向けの対策が重要となると、エレベーターなどの施設の改善も必要になります。高層に住む方は、エレベーターがないとひきこもりになり、一週間に一度しか部屋を出ないという方の話も聞いたことがありますが、健康上もよくありません。また、エレベーターの設置の必要性を都が認めても、共益費の問題などで住民間が意見が一致しない場合、設置が見送られているのも実情で、改善する必要があります。こうしたことも踏まえて、エレベーターの設置やバリアフリー化など、高齢者のための施設面での対応についての所見をお伺いします。

〇河島都市整備局長 既存の都営住宅におけるエレベーターの設置につきましては、自治会からの要望のある団地のうち、階数や戸数の基準、設置スペースの確保、法令への適合などの条件を満たし、居住者全員の合意が得られた住棟から実施しております。設置に当たっては、必要に応じ、居住者の合意形成に向けて説明も行っているところでございます。
 また、先ほど答弁いたしましたスーパーリフォームや建てかえに合わせたバリアフリー化のほか、高齢の居住者の要望に応じ、玄関、トイレ、浴室への手すりの取りつけなど、住宅設備等の改善をきめ細かく実施しております。今後とも、高齢化の進展などに対応いたしまして、都営住宅のバリアフリー化を着実に進めてまいります。

〇中村委員 今後、深刻な住宅問題の改善に向けて、都営住宅に関する一層の取り組みをお願いして、次は、住まいと介護に関する質問に移ります。都内では、低所得で要介護のひとり暮らしの高齢者が今後ますます増大していきます。政府は、全国一律の設置基準が、都市部で施設を設置することが困難になっているため、今般、居室面積基準や職員配置基準の都市部における特例を設けました。これを受け、都は来年度から、要介護度が比較的軽い低所得者の高齢者も利用できる施設として、利用料を低廉化した軽費老人ホームを整備していくため、平成22年度の予算案に、80カ所、800人分の軽費老人ホーム、大都市、小規模タイプの設置経費を計上しています。もちろん、民間が手を挙げるかどうかは、採算性の問題もあるため、目標数を達成するには東京都の支援が必要です。そこで、軽費老人ホーム、大都市、小規模タイプに関して、予算案に盛り込まれた都独自の施策について伺いたいと思います。

〇安藤福祉保健局長 都は、住まいPTによる検討成果を踏まえ、来年度から、要介護度が比較的低い低所得の高齢者も利用できる施設として、都市部において、居室面積や職員配置基準を緩和し、利用料を低廉化した小規模な軽費老人ホームを整備してまいります。
 都は、その整備支援策として、定員一人当たり15万円の国の交付金に加え、独自に国と同額の加算措置を講じます。さらに、土地所有者がみずから建物を整備し、運営事業者に賃貸するいわゆるオーナー型の整備につきましても、都独自に定員1人当たり300万円の補助を行うこととしております。

〇中村委員 ぜひ都内での施設整備が進むようお願いして、次の質問に移ります。世界に類を見ないスピードで高齢化が進展する我が国で、特に東京の高齢者人口の増加は際立っており、都内では、団塊の世代が順次65歳を超える2012以降、急速に高齢化が進み、都民の4人に1人が高齢者となる超高齢社会を迎えます。中でも、高齢者のみの世帯や要介護高齢者の急増が見込まれます。高齢者には、その身体機能の低下に応じて、特別養護老人ホーム等の介護施設が求められます。家族での介護は一定程度必要なので、すべて施設に入れるのが適切だとはいいませんが、それでも、特別養護老人ホームへの入所を待ちわびている希望者や家族にとっては本当に切実な問題です。
 もちろん、介護保険は区市町村で行っているので、施設がふえれば住民の保険料にはね返るため、財政上限界はあります。だからこそ、今後さらに高齢社会が進む中、整備については、さらなる都の支援が特別養護老人ホームについて必要だと考えますが、所見を伺います。

〇安藤福祉保健局長 都は、特別養護老人ホームの整備に当たり、保険者である区市町村が地域の介護ニーズを踏まえて推計した介護サービス量に基づき、計画的な整備に努めております。また、平成20年度から、高齢者人口に比べ整備状況が十分でない地域の補助単価を最高1.5倍に加算するなど、着実な整備に努めております。今後とも、増大する介護ニーズにこたえるため、定期借地権制度など、多様な手法を活用しながら整備を促進してまいります。

〇中村委員 ぜひ今後とも、特別養護老人ホームの整備を積極的に都が支援していただくように要望します。あと、在宅介護には訪問医療の充実も必要であり、また、地域で支え合いの仕組みとしての地域ケアの取り組みをさらに充実させる必要があります。私の地元の三鷹市では、支え合いの活動の一環として、高齢者の閉じこもり防止のためのサロン事業や、電球の取りかえなど、ちょっとした困り事を解決する生活支援サービスを提供する事業などを始めています。こういった地域に根差した活動に対する東京都の支援についてのお考えを伺います。

〇安藤福祉保健局長 区市町村の中には、地域住民による高齢者に対する簡単な手助けや、町内会、民生委員、ボランティアなどが連携したネットワークによる見守りなど、高齢者を支える仕組みを構築している自治体もございます。都は、こうした行政と住民の協働による、地域の実情に応じた取り組みについて、包括補助制度の活用により支援をしております。

〇中村委員 さて、先ほど話したとおり、高齢化が急速に進展する我が国では、特別養護老人ホームの整備だけで高齢者の安心が確保されるわけではありません。地域包括支援センターを中心に、住民によるボランティア組織やNPO、介護サービス事業者などが連携し、地域での支え合いの仕組みとして地域ケアの取り組みを充実させる必要があります。
 そのためには、高齢者のニーズに応じた適切な住宅が提供されることが前提であり、福祉の基本ともなるものです。国においても、医療や介護のほか、日常生活を支えるさまざまなサービスが身近な地域で適切に提供できる体制、つまり地域包括ケアシステムの必要性を唱えていますが、これに関して都の所見を伺いたいと思います。

〇安藤福祉保健局長 高齢者の方の多くは、要介護状態になっても、可能な限り住みなれた地域や自宅で生活し続けることを望んでおります。これを実現するためには、高齢者の方が生活する日常の範囲内で、施設サービスや在宅サービス、ケアつき住まいなどのサービス基盤をバランスよく整備していくことが重要であります。都では、東京の地域ケアを推進する会議を設置し、在宅生活を支える新たな介護サービスのモデルなど、東京の特性を踏まえた地域ケアのあり方について検討を進めているところであります。

〇中村委員 ぜひ、よい結論が出るよう期待しています。最後に述べますが、介護保険が始まって年月がたちますが、寝たきりの高齢者を介護している本当に深刻な状況の方の改善には、なかなかつながってはいません。介護によるストレスから、自殺や殺人などの事件も起き、今後は老老介護や認知症などでますます問題が深刻化していきます。高齢者がふえる中、施設介護と在宅介護を総合的に考えて、介護に苦しむ方々、将来に不安を抱く方々に安心を与える道筋をつけることが必要です。今後とも高齢者のための施策が充実されることを希望して、次の質問に移りたいと思います。


3 教育について

〇中村委員 次は、教育についてです。来年度の予算には、小一問題、中一ギャップ予防、解決のための教員加配について、このたび予算が6億8千万円計上されています。既に現場では問題になっていて、自治体によっては、小一問題については、幼稚園や保育園、小学校の連携の取り組みや、自治体独自の人的措置をとったり、また、中一ギャップへの対応として小中一貫校の取り組みもされています。都全体だと大きな予算が必要とはいえ、少しその対応が遅かった印象はありますが、制度を創設して支援をするという点では評価をします。具体的にはどの程度の配置が見込めるのかを伺いますとともに、また学級規模の縮小も視野に入れているとありますが、どのような姿を目指しているのでしょうか。また、三年間で効果を検証するということですが、どのように行うのか伺います。

〇大原教育長 小学校や中学校への入学直後は、その後の充実した学校生活を送るための基礎を固める重要な時期であり、この時期に、小一問題及び中一ギャップが発生し、学習規律が確保できなかったり学校不適応が発生したりすると、子どもたちに学力を身につけさせる上での基盤を構築することが困難になります。この問題を予防、解決する方策の一つとして教員を加配することといたしまして、平成22年度は、小学校と中学校を合わせて128名を配置する予定でございます。
 加配された教員の活用については、学級規模の縮小やチームティーチングの導入など、学校の実情に合った最適策が選択される仕組みといたします。
 さらに、加配教員の活用状況とそれに伴う児童生徒の適応状況について毎年度実態を調査することで、本施策の小一問題、中一ギャップの予防、解決に対する効果について検証を行いますとともに、3年後には総括的な検証を行う予定でございます。

〇中村委員 子どもの教育にとって大切な学校であり、住民にとっても一番身近な学校である公立の小学校や中学校は、各区市町村が設置をし、運営をしています。その運営のかなめとなるのは一人一人の教員であって、教員に対する人事権が及ぼす影響は大変大きいといえます。
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、市町村立学校の教職員の任命権に関して、市町村立学校職員給与負担法に規定する職員、いわゆる県費負担教職員の任命権は都道府県教育委員会に属することがうたわれています。つまり、各区市町村が設置した小中学校の教員の任命権は都の教育委員会にあります。各区市町村では、それぞれ小中学校の教育を工夫して取り組んでいますが、かなめとなる教員の人事権は都の教育委員会が持っており、地域が必要と考える教員を、みずからの権限で確保するのではなく、都の教育委員会の人事行政に負っているのが現状です。昨今、独自に自治体で採用する例もありますが、財政上豊かな自治体でなければできません。
 現在、教育の課題に対してさまざまな工夫をした教育行政に取り組んでいる区市町村に対し、必要な教員の配置などの人事上の支援が必要であると考えますが、教育長のご所見を伺います。

〇大原教育長 教職員の人事につきましては、広域的な観点から、区市町村間における教職員の適正な配置などに配慮した人事異動を行っております。また、同じ区市町村内での人事異動につきましては、区市町村教育委員会の意向及び校長の人事構想を重視した異動を行っております。今後とも、区市町村教育委員会や校長の意向を尊重しながら、適材適所の配置と人材育成に資する人事異動を行ってまいります。

〇中村委員 制度上の問題はわかりました。ただ、後で述べますが、各地域ではさまざまな取り組みを行い、また、地域で子どもを育てようという取り組みも進んでいます。これは教育だけの問題ではなく、世の中、一般的に人事の影響というのは大きいので、どうしても教員は、地域ではなく東京都の方を見る傾向にあり、また、東京都全体では規模が大きいため、不祥事を起こす教員というのは問題外の話ですけれども、やや管理を強める傾向にあるのは懸念されます。
 人事制度は国の制度ですが、認識として、区市町村立の学校を支援するために広域的に人事行政を行っているので、介入せよといっているのではなく、自律性を尊重しながら支援をしていただきたいと思っています。教育行政における都と区市町村の役割の認識、さらには市区町村の取り組みに対する支援に関する所見を伺います。

〇大原教育長 教職員の人事に関する都と区市町村の役割につきましては、都教育委員会が教職員を任命し、その給与を負担する一方、区市町村教育委員会は教職員の服務を監督しております。これは、義務教育につきましては、区市町村が学校の設置管理を行うなど直接的な責任を負っておりますが、教育水準の維持向上には、優秀な教職員の安定的な確保及び広域人事による適正な教職員配置が必要であることから、教職員の任命とその給与負担が都の役割とされているためでございます。また、区市町村の取り組みに対する支援についてでございますが、今申しました都と区市町村間の役割を踏まえまして、法令等の規定に従い適切に対応してまいります。

〇中村委員 ぜひ、各現場ではいろんな取り組みをしておりますので、それに応じたような検証を行って支援をしていただければと思います。
 特にそうした中で、障害児の教育について伺います。特別支援学級についてです。平成19年4月には改正学校教育法が施行されて、これまでの特殊教育は特別支援教育に転換され、幼稚園も含むすべての学校において、発達障害を含めて障害のある幼児、児童生徒に対し適切な指導及び必要な支援を行うことになりました。
 こうした法改正などを背景として、現在、小中学校に設置されている特別支援学級に入級を希望する児童生徒が増加をして、特別支援学級の学級数も増加し、例えば、これまで特別支援学級二学級だった小学校が児童生徒数の増加により五学級になるなど、学級数が増加している学校もあります。
 大規模化した場合は相対的な教員配置が少なくなります。また、現在の制度では5月1日付で学級数が確定をし、それに応じた教員が配当されるため、学期の途中で児童生徒がふえても教員の数は変更できないために、担当する教員の負担は大きくなっています。人的配置の基準を見直しをし、改善する必要があると考えますが、ご所見をお伺いします。

〇大原教育長 小中学校に設置される知的障害や自閉症、情緒障害等の児童生徒を対象とする特別支援学級につきましては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、いわゆる義務標準法に基づく一学級八人の学級編制基準に基づき算出いたしました教員数に、都独自の加配として一人を加えた教員を配置しています。
 また、通常の学級に在籍しながら特別支援学級に通う、いわゆる通級指導につきましては、義務標準法には定めがございませんが、都独自に学級編制基準を定め、教員を加配しています。さらに、年度途中の児童生徒増に対応するために、学級の実態を勘案し、非常勤講師を措置しております。
 このように、特別支援教育に関しては、教員の加配、講師の措置など、適切に人的配置を行っているところでございます。

〇中村委員 本当に現場の方では、大規模化に伴ってかなりご苦労されていらっしゃるし、保護者の方の心配の声もありますので、ぜひ適切な対応をしていただきたいと思います。
 また、先ほど中一ギャップのところでも述べましたけれども、各自治体では、それに対応するため、都を含めて小中一貫校などの取り組みも行っています。まだこれは法的な制度ではなく、各区市町村が地域の実情に合わせてさまざま工夫を凝らして行っていますが、こうした取り組みも、よいものであれば方向性をつけて支援をしていただきたいと思います。
 人的配置の問題も含めて、東京都教育委員会がこうした動きをどのようにとらえているのか、認識を伺いたいと思います。

〇大原教育長 小中学校が連携し、円滑な接続を図ることは重要でございまして、都教育委員会は平成22年度から、中一ギャップの予防、解決のための教員加配を行うことといたしました。区市町村教育委員会の中には、独自の小中一貫カリキュラムの作成、あるいは施設一体型の校舎の建設など小中一貫教育に取り組んでいるところがございますが、こうした小中一貫教育校では、いまだ九年間の継続した指導を受けた生徒はいない状況でございまして、効果の検証については時間が必要であると考えます。今後は、小中一貫教育を進めようとしている区市町村教育委員会に対しましては、先行事例などの情報を提供することや個別の相談に応じることなど、必要に応じて支援を行ってまいります。

〇中村委員 ぜひ支援の方をお願いいたします。
 また、地域の中では、そういった小中一貫だけではなく、地域の中で子どもを育てるという新しい取り組みも始まっています。
 先般、この多様化する社会の中で、鳩山総理は国会で新しい公共を打ち出しましたが、そのために、早くから地域の方々が学校に参加をするコミュニティスクールに取り組んできていた三鷹市立第四小学校を視察されました。今、法律の改正で、学校運営協議会の人事への意見具申や、国の制度ではありますが、学校支援地域本部などを活用して、各自治体で、方法はさまざまですが、地域と連携した教育が行われ始めています。しかし、課題もまだまだ多く、地域の活性化のための支援が必要です。都民の参加による地域の教育力向上のため、学校支援ボランティア推進協議会の設置、推進に取り組むなど、東京都としても市区町村を支援する方策はあると思うんですが、この点について所見を伺います。

〇大原教育長 子どもを取り巻く多様な教育課題に的確に対応するためには、学校のみならず、地域が持つ教育力を学校の教育活動に積極的に取り入れるなど、社会全体で子どもの教育を支えていくことが必要でございます。都教育委員会は、小中学校と家庭、地域、社会が連携、協働して子どもの教育を支える学校支援ボランティア推進協議会の設置を推進いたしますとともに、企業、NPO、大学との連携により外部の人材を広域的に活用する仕組みでございます地域教育推進ネットワーク東京都協議会を通じまして、地域と連携した区市町村の取り組みを支援してまいります。

〇中村委員 各地域の方では、かなりそういった取り組み、いろいろ進んでおりますので、東京都の教育委員会としても、ぜひともそういったことも検討していただきたいと思います。
 次に、教員の多忙さへの対応について伺います。都議会民主党は、さきの平成21年第3回都議会定例会において、小山くにひこ議員が小中学校教員の多忙感について一般質問を行うなど、かねてから教員の多忙な実態について取り上げてきました。
 ただ、目に見えて改善してきたとはいえないほど、教育現場は多忙過ぎます。もちろん、複雑な社会情勢のもと対応せざるを得ないこともふえ、また、本来家庭で行うことができないために、学校の負担が多くなっているという側面もあるのではないかと考えます。しかし、副校長のなり手がいないといわれるほど、教育管理職への負担もふえているとも聞いています。
 そこで、教員の多忙な実態を解消し、教員が子どもと向き合う時間がふえるよう業務の見直しを行うべきと考えますが、所見を伺います。

〇大原教育長 都教育委員会では、教員の業務実態を詳細に把握し職務改善を図る具体策の検討に資することを目的といたしまして、平成22年度に、公立小中学校における業務処理調査研究事業を行うことといたしました。この事業では、副校長だけでなく、副校長を直接補佐する主幹教諭のほか、主任教諭、教諭及び事務職員のそれぞれの職務内容や業務運営上の課題を明らかにし、より効果的、効率的な学校運営組織や業務の進め方、適切な校務分担のあり方など、改善策を検討してまいります。

〇中村委員 来年度の予算では、公立小中学校における業務処理調査研究事業が行われるとのことです。忙しいのはただ管理職だけではなく、一般の教員も同様であって、むしろそうした教員が子どもと向き合う時間が減っているのではないかとの懸念がなされます。ぜひとも調査の上、改善を求めます。また、そのためにも、学校の業務をサポートするスクールセクレタリーの設置を検討することも提案します。少しでも教員が煩雑な業務から解放されて、管理職だけではなく、むしろ一般の教員の子どもと向き合う時間が多くとれることで教育の質が向上することを望みます。
 多岐にわたって教育について質問させていただきました。教育の重要性が問われる中で、家庭での役割が大切なのはいうまでもありませんが、各自治体が工夫を凝らして、地域と連携しながらさまざまな取り組みを今、行っていますので、東京都教育委員会としてもそういった取り組みの方を尊重し、支援をし、何よりも子どもたちにとってよい教育を行っていただくことを要望いたしまして、質問の方を終わります。

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